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靖国神社参拝

2013-08-11 23:51:36 | Weblog

8月15日には全国戦没者追悼式が日本政府の主催で行われる。

遺族代表はもとより、天皇・皇后、内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、各政党代表、都道府県知事、都道府県議会議長、日本遺族会会長、日本商工会議所会頭、日本労働組合総連合会会長、日本新聞協会会長、日本学術会議会長、日本宗教連盟理事長らが参列する。

安倍内閣総理大臣は今年の8月15日前後には靖国神社に行かないらしいと、新聞が伝えていたが、その他の閣僚・議員では誰が参拝に行くのだろうか。

いわゆるA級戦犯の合祀以来、靖国神社はナショナリストのツッパリのあかしになった。

厚生省(当時)がA級戦犯の祭神名簿を靖国神社に送ったのが1966年。合祀への動きはいろいろあったが、最終的に当時の筑波藤麿宮司が合祀を保留した。

1978年に宮司が松平永芳に代わると、A級戦犯14人が合祀された。

「生涯で意義あることをしたと私が自負できるのは、A級戦犯合祀である。現行憲法の否定はわれわれの願うところだが、その前に極東軍事裁判の根源をたたいてしまおうという意図のもとに、A級戦犯14柱を新たに祭神とした」

前任の宮司が保留していた合祀を決行した松永が、1985年1月18日夜、東京・神田の学士会館で、30人ほどの同志を前に語った。

これは、毎日新聞「靖国」取材班『靖国戦後秘史――A級戦犯を合祀した男』(毎日新聞社、2007年)のあとがきに出ていた話である。

このことは政治家ならだれでも知っているはずだ。

したがって、全国戦没者追悼式があるにもかかわらず、同じころに靖国神社へ出かけるのは、松平永芳が掲げた「極東裁判の拒否と現行憲法の否定」への賛意表明とナショナリズム喧伝が目的である。

(2013.8.11 花崎泰雄)

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