麻生太郎財務大臣が一連の森友問題のゴタゴタに関連して、閣僚給与を1年分自主返納するという。
国務大臣の給与は現行で2930万円ほど。所管の違いに関係なく一律である。約3000万円を自主返納するのかというと、そういうことではないらしい。
麻生氏は財務大臣であると同時に衆議院議員である。国会議員が国務大臣になった場合は、「議員で国の公務員を兼ねる者は、議員の歳費を受けるが、公務員の給料を受けない。但し、公務員の給料額が歳費の額より多いときは、その差額を行政庁から受ける」(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律、第7条)ことになる。
国会議員の歳費は年額2200万円ほどで、国会の予算から支給される。国務大臣給与から議員歳費を差し引いた差額は、それぞれの省の予算から支給される。
麻生太郎財務大臣の場合は、計算上、その差額約700万円を自主返納することになる。しかしながら、国務大臣給与はすでに政策上の判断で減額されているので、麻生氏が自主返納する実際の額は170万円と報じられている。1ヵ月あたり15万円弱である。
国会議員がその歳費を返納すると、国庫への寄付行為とみなされ、政治家の寄付行為を禁止している公職選挙法との関連で、そうとう厄介な事案に発展する。公務員としての給与の自主返納は公職選挙法に抵触しないとされている。
●麻生太郎財務大臣が閣僚給与1年分を自主返納
●麻生太郎財務大臣が閣僚給与1年分170万円を自主返納
だいぶ印象が違ってくる。
170万円か。
麻生氏の国会審議中の意味のないヘラヘラ笑いや、傲岸不遜、傲慢無礼、無知蒙昧な記者会見の発言をテレビや新聞で今後、見聞きしないですむのであれば、「自主返納結構です。こちらから同額を追い払いいたしますので、どーぞ大臣席からお引き取り下さい」という気分の有権者は少くないだろう。
(2018.6.4 花崎泰雄)