【出発編】
金曜日のスケジュールをこなし、夕刻、足早に家路を急ぐ。
釣り具満載のカバンを引きずり、釣竿の入ったバズーカを抱えてデトロイト空港へ。
空港に来たはいいものの、急遽予約した午後9:30発のローリー(Raleigh)行きのフライトはキャンセル待ち。
とりあえず荷物をチェックインしてセキュリティを通り抜ける。
このフライトを逃すと全てが水の泡。。。
ドキドキドキ・・・
離陸1時間前、カウンターで最後尾のチケットが小生に手渡される。
『き、キターーー!!』
チケットをゲットした直後、カウンターからアナウンスが。
「オーバーブッキングのため6席分のボランティアを募集します・・・」
危なかった・・・まさかこんなに混むフライトだったとは。
『リクライニング無しの窮屈な席だけど、この日ばかりはどうでも良かった。
ボクは約束の地に飛んでいる。。。』
と、気味悪く作詞しながらフライトの時間をつぶす。
午後11:10、定刻通りローリーに着陸。
バズーカと釣り具満載のバッグも無事に回収。
ちなみに、デルタ国内線のバズーカの預かり料は無料だった(自分メモ)。
ここローリーはウチの会社のライバル会社の本拠地なので、ちょっとドキドキ。
何もしてないのに、悪いことをしている感じ。
レンタカーをピックアップして、今回の釣りの拠点であるウィルミントン(Wilmington)を目指す。
ローリーからウィルミントンへはおよそ120マイル、2時間の道程。
ノースキャロライナの田舎道を走りぬけ、午前2時、ウィルミントンのホテルにチェックイン。
ホテルは船長が教えてくれたマーケットストリートにあるベストウェスタン。
ホテルの部屋で荷解きをし、タックルを組み上げる。
数時間後に迫る釣りに備えて早く寝ないといけないものの、ワクワク具合が最高潮で全く寝付けない(汗)。
【実釣編】
午前4:30、睡眠時間1時間でベッドから跳ね起きる。
ホテルのロビーで釣りトモのBANさん、Rockさんと合流。
車にタックルを積み込んで数マイル先のマリーナを目指す。
午前5:45、グレーヘアの大男の船長が時間通りに姿をみせた。
喋り方が丁寧で物腰も柔らか。
最近の釣況などを話しつつ、荷物をいそいそと船に積み込む。
午前6時、出航。
釣り場は港から65マイルも離れており、2時間かけて釣り場へ向かう。
朝の気温は2,3℃付近。十分防寒してても凍える温度。
8時、釣り場に到着。
朝一の釣り場にはイルカやアカウミガメがいたりして、なんとものんびりムード。
波は1メートル程度。普段ならなんともない波だけど、船が小さいためよく揺れる。
酔い止めを出港時に飲んでいたものの、追加でもう一錠。
アメリカの酔い止めは効果てきめん・・・てきめんすぎてクラっ・・・ちょっと怖いんですけど(汗)。
水深は150フィート≒45m程度とシャローと言っていい水深。
港から65マイルも離れたところなので、どんなドン深な大陸棚かと思いきや、随分と遠浅の海。
急激なカケアガリなどもなく、かなり平坦。
ナガマサの280gを緑がかった海に沈める。
ひとしゃくり目から来るかしら・・・と身構えるも、そんなに甘くはない。
最初のポイントは一流しで見切る。
船長いわく、
「好きなポイントだけど水温が14℃しかナイヨ。ガルフストリームのあるとこへ移動しよう。」
ガルフストリームはメキシコ湾で暖められた暖流で、日本でいうと黒潮のようなもの。
緑がかった色の海から、青みがかった色の海へ。
水温は一気に23℃まで上昇。
そのポイントの一流し目。
早めのワンピッチで10メートルほど上げてきた時・・・
『ガツーン!!』
き、キター!!
超久しぶりのジギング、やはりこの衝撃はたまらない!
そんなに大きくないと思われ、バットエンドを脇に挟んだままファイト。
船べりに来て突然ギュイーンとラインを引き出したのは・・・
3キロクラスのスマガツオ!
美味しそうなサイズ。タタキが脳裏をよぎり、即キープ。
アメリカ人はスマガツオなど食べないとのこと。。。美味しいのにねぇ。
その後反応は無く、程なくして深場へ移動。
深場と言っても350フィート≒100mほど。
その一流し目、底から20メートルくらいでゆっくり目にジグを飛ばしていると・・・
『ズドン!!』
フッキング直後にトルクとスピードを併せ持った走りで10キロのドラグを引き出していく!
「キター!」
横を見るとRockさんもヒット!
なんといきなりのダブルヒット!!
久しぶりのジギングでファイトはドタバタ。
船長がランディングしてくれる頃には足腰ガクブル、息は絶え絶え、顔面蒼白。
心の声 『こ、こんな死闘になるとは・・・20キロくらいいったかしら・・・』
上がってきたサカナを見てびっくり!
船長推定20ポンド。10キロ未満。
カンパチより若干パワフルなヒレナガカンパチというのを差し引いても、小生の
運動不足 ブランクはかなりのものであると実感。
ともあれ、めでたくRockさんとダブルキャッチの図。
まるまるして美味しそうだったのと、手頃なサイズだったので迷わずキープ。
ノースキャロライナのカンパチはシガテラの危険性はないとのこと。
カンパチは一人一匹ずつキープ可能。
写真を撮ってもらった後は、手足に力が入らず倒れこんでしまいました(恥)。
Rockさんとしばらく仮死状態に。
ハワイの顧問に怒られそうですね ^_^;
そんな情けない我々を尻目に、BANさんヒット!
ビッグファイトの後、突然テンションがゆるくなる・・・
サメに胴体を全部持っていかれてしまい、カンパチの頭のみが姿をあらわす。
上がっていればかなりいいサイズだったはず。
小生、若干回復したところで、再度ジグ投入。
心の声 『そろそろ着底・・・?あれ?ラインがスルスルと・・・止まらないんですけど・・・』
クラッチを戻してフッキング!
ギュギュギュギュギュギューーーーーー!!!!!
10キロ程度のドラグでは全く止まらないのでサミングしながらラインの出をコントロール。
先ほどの慌てぶりを反省して、ちょっと冷静にファイト。
サメがうようよしてるので、残り20メートルは急いで巻き上げる!
自分では冷静だと思っていたものの、おぼつかないファイトの様子はコチラ↓
Rockさん、撮影ありがとうございます!
上がってきたのはさっきと同じサイズのヒレナガカンパチ。
二匹目!
船長推定20ポンド。
100メートルの深みから釣り上げられたカンパチは浮き袋が膨らんでいるので、船長が空気を抜いてあげて手厚くリリース。
『ぶしゅーっ』
結構な量の空気が出てくる。
手早く海に帰すと、まっすぐ深みに潜っていく。良かった良かった。
貪欲な小生、またナガマサを海に落とす。
着底後、早巻きで底を切って、ワンピッチのショートジャークで10メートル上げて、その後はロングジャーク。
『ジャーク、ジャーク、じゃ・・・
ズドン!』
またキターーー!
快感であります!
これまでよりちょっと大きいかなぁ、、、なんて思いながらファイト。
ランディングまであと10メートル、と言ったところで『ガガガがっ・・・』と衝撃!
上がってきたカンパチはサメにやられて尻ビレがなくなってしまった。。。合掌。
ジギング初体験のBANさん。
船酔い中に初の獲物がカンパチ。
死闘の末、サメにやられるというドラマチックな展開。
力を振り絞ってキレのあるジャーキングを繰り返していたところに再度ヒット!
まさに死闘。深場では一進一退の攻防。
残り20メートルからはサメから逃れるためにグリグリと巻いてくる。
体内の乳酸分泌量も相当な量のハズ・・・
そして、ついにランディング!
崩れ落ちそうになるBANさん。
ドラマでした。
ナイスフィッシュ!
おめでとうございます!
この魚を境に150フィート≒45mの浅場に移動。
浅かろうが深かろうが、今日の当たりジグのナガマサ280gを投入。
起伏は10メートル未満のカケアガリがある程度。
なにせ、なんにもない遠浅の海なので、こういうちょっとした変化にサカナが着くのでしょう。
ここではスマガツオが連続して2匹釣れ、楽しいやり取りを堪能。
特に、残り10メートルで強烈に突っ込むので病みつき。
もう一流しで移動しようか・・・と言ったところで強烈なアタリ!
ショートジャークからのロングジャークへ移行してすぐ、
『じゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃっ、ジャーク、ジャーク、じゃー・・・
ズドン!!!!』
浅場なのでサカナの引きがダイレクトに竿を絞り込む!
ドラグが滑るのは快感なものの、ラインを出しすぎると根ズレするので指で止めにかかる。
それでも引き出されるライン。
がまかつ最強のエクストラヘビーのジギングロッドがバットまでぶち曲がる!
浅場でかけたカンパチは船べりにきても抵抗を続け、何度も突っ込みを繰り返す。。。
そして、ようやく・・・
感無量です。
船長推定30ポンド。
船長と握手をかわす。
100ポンドには遠く及ばなかったものの、十分満足なヒレナガカンパチが釣れました!
その魚を最後に、350フィートの深場へ再度移動。
その一流し目・・・
早巻きx10 ⇒ ワンピッチショートジャークx10 ⇒ ロングジャークの一発目・・・
『ガッツーン!!』
気持ちヨカーーー!!
フッキングした後、20メートルくらいラインが引き出されたものの、底を切った後は引きを堪能しながらキャッチ!
サメもどこかに行ってしまった様子。
上がってきたのは頭の大きな本カンパチ!
4匹目、25ポンド!
「重いー!」と申しております。
虚弱でゴメンなさい。
船酔いから復活したRockさんは良型のグルーパーを立て続けに2匹!
キャー、美味しそう!!
でも、4月からキープ可能だっただけに残念(3月の釣行だったので)。。。
クエ鍋パーティーやりそこねましたね。
BANさんもヒレナガカンパチ追加!
そしてRockさんにもカンパチヒットー!
男前!
その後はスマガツオを各自追加。
Rockさんのは特に一回り大きかった!
今度はBANさんとヒレナガカンパチのダブルヒット。
楽しすぎるー!
BANさんのは20ポンドくらい、小生のは15ポンドくらい。
時間はすでに午後3:30を回り、沖あがりの時間。
「これ最後の流しね~」
有終の美を飾るべく、ヨレヨレの体に鞭を打ってジャーキング。
底から20メートル、ジグをショートジャークでしゃくっている時・・・
『ズドン!!』
ラストを飾るヒレナガカンパチ25ポンド!
バッチリと写真を撮ってもらったので、遺影候補にしておきましょう。
小生の釣果はカンパチ6本、スマガツオ4本!
大満足です。
ここから2時間強かけてマリーナを目指す!
カンパチとスマガツオを各自一匹ずつキープした我々。
帰港後、船長がサカナをフィレ(切り身)にしてくれます。
帰ってからラクー。
ペリカン達がおこぼれを狙ってます。
Live Line Charters 素晴らしい船長と船でした。
ノースキャロライナのジギングは釣り好きなら虜になること間違いなし!
その後、RockさんとBANさんとシーフードレストランで反省会をして、ホテルに帰還。
午前2時まで爆睡して、2時間かけてローリーへ一人ドライブ、そして朝一番の6時のフライトでデトロイトに向かいました。
金曜日午後9:30にデトロイト出発、日曜日午前8:00にデトロイト到着という、なんともハードスケジュールだったものの、無事に帰宅。
【タックル編】
船長のステラが眩しかったものの、自前のタックルで十分戦えました。
ロッド:がまかつ Jig Shaft 6103
リール:シマノ Trinidad TN30
道糸:パワープロ・デプスハンター80ポンド(6号よりちょい太い)
リーダー:サンライン・システムショックリーダー(ナイロン)100ポンド
全部のサカナをこのタックルで釣りました。
エクストラヘビーのこのタックル、久しぶりに魂を入れてあげれました。
PEは80ポンド、リーダーは100ポンドで問題なし。
根ズレが少ないので、もうちょっと細くても良いかもしれませんが、太くてもヒットするので細くする必要は無いでしょう。
懸案のパワープロも全然問題無し。
強いて言うならアメリカで買ったデプスハンターは25フィートごとで色が変わるので、いちいちメートルに直すのがややこしいです。
PEとリーダーの結束はFGで。
フックはデコイのパイク。十分強かったです。
船長も「良い針ダネ~」と褒めてました。
ジグはナガマサの280gがメイン。
船長オススメの Spike Jig 320g でも釣れました。
小生は使ってないけど、船長のレンタルタックルはかなり豪華。
ステラ10000があればそれで十分だそうです。
ロッドは Star Plasma というメーカーでした。
Rockさん登場の動画でもでてますが、とんでもなく粘りのある竿で一本欲しくなりました。
【実食編】
切り身をどうやって持って帰るかが、今回の課題の一つでしたが、
複数のジップロックに切り身と氷を別々に入れる ⇒ プチプチ ⇒ 新聞紙 ⇒ ゴミ袋 ⇒ ダンボール ⇒ カバン
の順に梱包して、無事に持ち帰れました。
で、刺身。
手前からカンパチ、スマガツオの刺身、スマガツオのタタキ。
サカナ不毛の地、ミシガンに住んでますので感激もヒトシオ・・・
もんどり打つほど美味しかったです。
続いてカンパチの美味しそうなところをピックアップして握り。
くぅー、
美味い!
環は、閉じた、完璧に。
開高先生風。一回使ってみたかったのです。