春が来れば思い出す。
子供の幼稚園送迎で
味わった自然の
あったかさと豊かさを。
幼稚園まで歩いて、
およそ四十五分。
夏は暑く、
冬場は寒さに
震えながらだが、
それが
春は打って変わって
心地よい通園となる。
時間のゆとりがある
帰り道は、
農道や畔に咲き誇る
タンポポやレンゲが、
子供の足を
何度も止めさせた。
一緒になって
花を摘んだり、
草花のじゅうたんに
寝転がった。
生活で積み重なった
煩わしさを
忘れさせてくれた。
黄や白の蝶々が
ひらひらと舞うのに、
子供が歓声を挙げる。
「おとうさん、
チョウチョ、
チョウチョだよ」
むきになって
父親に伝えようとする
子供の無垢な顔。
その愛くるしさに、
私のこころは
自然に和んだ。
今年も
春はやって来た。
でも、
ともに春を喜び
遊んだ子供らは
巣立って
身近にいない。
妻も
忙しくしている。
それでも、
陽気に誘われ、
農道を歩いた。
ふと気づいた。
草花やチョウチョの舞う
光景が
昔話に
なっているのを。
子供の幼稚園送迎で
味わった自然の
あったかさと豊かさを。
幼稚園まで歩いて、
およそ四十五分。
夏は暑く、
冬場は寒さに
震えながらだが、
それが
春は打って変わって
心地よい通園となる。
時間のゆとりがある
帰り道は、
農道や畔に咲き誇る
タンポポやレンゲが、
子供の足を
何度も止めさせた。
一緒になって
花を摘んだり、
草花のじゅうたんに
寝転がった。
生活で積み重なった
煩わしさを
忘れさせてくれた。
黄や白の蝶々が
ひらひらと舞うのに、
子供が歓声を挙げる。
「おとうさん、
チョウチョ、
チョウチョだよ」
むきになって
父親に伝えようとする
子供の無垢な顔。
その愛くるしさに、
私のこころは
自然に和んだ。
今年も
春はやって来た。
でも、
ともに春を喜び
遊んだ子供らは
巣立って
身近にいない。
妻も
忙しくしている。
それでも、
陽気に誘われ、
農道を歩いた。
ふと気づいた。
草花やチョウチョの舞う
光景が
昔話に
なっているのを。