ミンチ

もと洋食のコックだった私、
ミンチ肉を使った料理は
お手の物だ。
安くて
誰もが好きなハンバーグを
家族のために
よく焼いた。
ハンバーグはデミソース、
照り焼き、
トマトソースなど
何にでもあい、
当たり外れなくおいしい。
息子らの食欲に合わせて
大きなものを作っていた。
ところが息子らが独立して
家を出ると、
私以外は女性ばかり。
大きいハンバーグよりも
ミートボールの方が
喜ばれるようになった。
二つでも三つにでも
カットすれば
同じだと思うが、
女性たちには
小さく丸めた肉団子に
可愛らしさと
おいしさを感じるらしい。
以来、
ハンバーグを焼くよりも、
ミートボールつくりが多い。
カリッと揚げたり、
熱湯でボイルと
工夫を重ねているが、
ハンバーグより
手間がかかるのが
いささか厄介である。

豪傑

横山光輝が後年
取り組んだ中国史の漫画。
この作品は、
百なんぼの豪傑たちが集結した
梁山泊の物語。
原作を翻訳したものを、
若い時には、
夢中で読んだものでした。
無力で臆病な情けない自分を
忘れさせてくれる、
男の世界に夢を馳せたものでした。
横山漫画は、
洗練されすぎた絵が、
闘争に明け暮れる、
殺伐たらんとする世界を描くと、
すこし違和感がありました。