こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

こどもに託すもの

2019年02月02日 00時58分58秒 | Weblog
「父親のあとを継ぐ息子で。いいよな」
 思わず呟いてしまった。
ニュース画面の伝統木工品を作る親子の作業風景に、
ついジェラシーを覚えたのである。
「継がせられる程御大層な仕事やってた?」
 妻の皮肉。口惜しいが反論できない.
思い返せば、本屋の店員、コック、
喫茶店でバーテンにマネージャーを経て独立、
喫茶店オーナーになったが十年で閉店。
あとは木工会社、2×4工法の大工見習。
その後、調理の世界に戻り弁当製造工場で定年を迎えた。
最後はスーパーのパートと変化に富むが、
とても自慢できたものじゃない
 こんなザマで「親のあとを継げ」とは、
口あんぐりな反応を受けて当然なのだ。
「でもさあ。うちの子供ら、
ちゃんと親と同じ道を歩んでるよ。
幸せに思わなきゃ」
 そうだった。息子は居酒屋の店長、
父親の調理師とは異なるが、
同じ外食産業の一員なのは間違いない。
そう解釈を成り立たせた。
「何やかや言っても、
子供って親の生きざま見せつけられて
育ってるんだからね」
 悟りきった口調の妻。
そりゃそうだよな。
長女は介護福祉士、
次女は保育士で、
保育士をしながら
ボランティアにもいそしんだ母親のあとを、
しっかりと継いでいるのだから
妻のどや顔も不思議ではない。
「大局的に考えれば、
父親の仕事をなぞってくれてるんだ。
やっぱり俺の息子なんだな」
 自分を納得させても、
複雑な心境のままだ
コメント
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