「仲のいいご兄妹ですね」
そんな勘違いを
しょっちゅうされた結婚当初。
十三歳若い妻と外出しては
間違われてばかり。
いちいち弁解するのも面倒だし、
悪戯心もあって、
兄妹で通そうと決めたものだ。
妻は一人っ子。
二人きりの兄弟だった兄が、
若くして急逝、
その後は
一人っ子状態だった私。
そのせいか
甘えん坊の似た者同士。
それでも年齢が上の私は、
年を食った分だけ
頼られる立場だった。
妹に甘えられる兄という設定が
自然に出来上がったのである。
「しっかりしたお姉さんやね。
頼りがいあるやろ」
最近、
会う人あう人が、
こぞってそう言う。
無理もない。
五十代半ばから、
夫婦の立場は逆転。
四人の子供の母親を経た妻は、
逞しく変貌したが、
一方の私は甘えん坊のままで
成長はとまってしまった。
当然の逆転である。
「頼りない弟も、
それなりに可愛いわね」
妻の皮肉は、
ますます調子づいている。
そんな勘違いを
しょっちゅうされた結婚当初。
十三歳若い妻と外出しては
間違われてばかり。
いちいち弁解するのも面倒だし、
悪戯心もあって、
兄妹で通そうと決めたものだ。
妻は一人っ子。
二人きりの兄弟だった兄が、
若くして急逝、
その後は
一人っ子状態だった私。
そのせいか
甘えん坊の似た者同士。
それでも年齢が上の私は、
年を食った分だけ
頼られる立場だった。
妹に甘えられる兄という設定が
自然に出来上がったのである。
「しっかりしたお姉さんやね。
頼りがいあるやろ」
最近、
会う人あう人が、
こぞってそう言う。
無理もない。
五十代半ばから、
夫婦の立場は逆転。
四人の子供の母親を経た妻は、
逞しく変貌したが、
一方の私は甘えん坊のままで
成長はとまってしまった。
当然の逆転である。
「頼りない弟も、
それなりに可愛いわね」
妻の皮肉は、
ますます調子づいている。