激しい人見知りで、家族に甘えることもできない、可愛げの欠けた子供だった。
小学校も教室で、いつもひとりぼっち。先生にも構われない、寂しい五年間を送った。
六年生になった早々、授業中に教科書の白い部分を埋め尽くす落書きを見つかった。恥ずかしさでカァーとなり、怒られると思い体が固まってしまった。すると頭を撫でられた。
「おまえ、絵がごっつう上手いのう」
優しい先生の声。かけられた記憶は殆どなく、忘れていた。それが驚くほど優しい声なのだ。しかも、私は褒められた!初めて。
一学期が終わる日、先生は教壇に呼びつけ、級友の前でまっさらなノートを五冊くれた。
「おまえの絵は上手いんやから、教科書の端っこより、白いページに描かな勿体ないわ。得意なもん伸ばすん、先生の仕事なんや」
おちょける先生の顔を思わず見上げていた。
人生を変えてくれた先生との一期一会。あの出会いが私の人生の道しるべになったんだなあ。
小学校も教室で、いつもひとりぼっち。先生にも構われない、寂しい五年間を送った。
六年生になった早々、授業中に教科書の白い部分を埋め尽くす落書きを見つかった。恥ずかしさでカァーとなり、怒られると思い体が固まってしまった。すると頭を撫でられた。
「おまえ、絵がごっつう上手いのう」
優しい先生の声。かけられた記憶は殆どなく、忘れていた。それが驚くほど優しい声なのだ。しかも、私は褒められた!初めて。
一学期が終わる日、先生は教壇に呼びつけ、級友の前でまっさらなノートを五冊くれた。
「おまえの絵は上手いんやから、教科書の端っこより、白いページに描かな勿体ないわ。得意なもん伸ばすん、先生の仕事なんや」
おちょける先生の顔を思わず見上げていた。
人生を変えてくれた先生との一期一会。あの出会いが私の人生の道しるべになったんだなあ。