こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

牛が家族だったあの日

2021年05月18日 10時00分03秒 | 日記
家の周辺が騒がしくなる季節。
夜は蛙の大合唱だが、
昼間は田植えの準備に、
トラクターの競演が繰り広げられる。
家の周囲が田んぼや畑なのだから
致し方ない。
考えてみれば、
子供の頃は静かな田植え準備だった。
家族総出の田んぼ仕事の中心になってくれたのが、牛。
当時は家の中に牛小屋があり、
堂々たる体躯の黒牛が家族の一員だった。
田んぼや畑の耕作作業には欠かせない戦力。
排泄物は貴重な肥料になった。
大事に世話されていたのを思い出す。
出産などに父らが奔走。
近くの町で開かれた牛市場へ
べこの供出もあった。
病気になったり寿命が尽きた、
牛との別れに涙を流した記憶も鮮明だ。
どんな泥田も牛は全力で攻略した。
「ハーハー」と口に泡を吹く勇姿に圧倒された子供時代。
田んぼを鋤く手伝いに駆り出され、
牛の鼻先につなげたさお竹を
兄とともに必死、引っ張ったものだ。

家のすぐ近くに轟音が。
トラクターは私の思い出を弾き飛ばす。
コメント
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