こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

本が友達になった日

2021年05月20日 10時15分21秒 | 日記
自宅でやっているまちライブラリー。
三方を山に囲まれた田舎でも、
週に数人来訪者があるのが不思議。
本離れの世の中だが、
まだまだ見捨てたもんじゃない。
ライブラリーに揃う本は2000点余り。
面倒臭がり屋でなまけものの類いと言っていい、
私には珍しくほとんどの本は読み終わっている。
来訪者が持ち込んでくださる新しい本も刺激を与えられるが、
最近は目が悪くなって読むのが難儀。
惜しいが読むのを途中で諦めることが多くなった。

本との出会いは、まだ小学校に上がる前。
外で遊ぶのが苦手な子供だった私が、
唯一見つけた楽しみが、
茶の間に置かれた雑誌を開くことだった。
まだ字を知らない子供が、
いつしかカンで読むようになっていた。
小説なんかは挿絵を見て想像を膨らませ、
こんなことが書いてあるんだろうなという感じである。
「またこの子はこんな本を読んでるよ」
母をあきれさせた私が読みふけった(?)のは、「家の光」
家の光は農協が配達してくれる農家の愛読雑誌だった。
勿論、「こども家の光」みたいな子供対象の雑誌ではない。
小説の挿絵にあった裸の女性のページが出てきたときなど、
家族が「へーっ」て顔をして驚いていたものである。

近くの奥さんがもってきてくれたのが、家の光の旧刊本を梱包したもの。
雑誌を読むふける私のことを聞きかじって持ってきてくれたものだ。
当時の本は贅沢品、我が家もそう毎月購入できない貧しさ。
それを見て取った好意だったのだと思う。
大人の雑誌の山に囲まれ
読みふける子供は異様だったかもしれないが、
本人は天にも昇る至福の時間だった。

家の光のおかげで、私の人生に本は友達になってくれたのだ。


コメント
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