老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

介護現場に溢れる悲鳴、介護殺人

2023-06-09 20:07:15 | 文学からみた介護
1954 ロストケア {1}




映画『ロストケア』あらすじ
早朝の民家で老⼈と介護センター所長の死体が発⾒された。
犯⼈として捜査線上に浮かんだのは死んだ所長が務める訪問介護センターに勤める斯波宗典(松山ケンイチ)。
彼は献身的な介護士として介護家族に慕われる⼼優しい青年だった。
検事の大友秀美(長澤まさみ)は斯波が務める訪問介護センターで老⼈の死亡率が異常に高いことを突き止める。
この介護センターでいったい何が起きているのか?
大友は真実を明らかにするべく取り調べ室で斯波と対峙する。
「私は救いました」。斯波は犯行を認めたものの、⾃分がした行為は「殺⼈」ではなく「救い」だと主張する。
斯波の⾔う「救い」とは⼀体何を意味するのか。
なぜ、⼼優しい青年が未曽有の連続殺⼈犯となったのか。
斯波の揺るぎない信念に向き合い、事件の真相に迫る時、大友の⼼は激しく揺さぶられる。
「救いとは?」、「正義とは?」、「家族の幸せとは?」、
現在の⽇本が抱える社会と家族の問題に正面から切り込む、社会派エンターテインメント映画。

映画を見逃したので、光文社文庫 葉真中 顕『ロストケア』を読んだ。
介護に従事する一人として、衝撃的な小説だった。
彼はなぜ43人もの人間を殺害したのか?

介護における光と影。
介護現場に溢れる悲鳴、現代社会の歪など考えさせられた。

次回( ロストケア {2} )は子どもを育てながら認知症の母を介護している羽田洋子の苦悩、葛藤を紹介していきたい。
家族介護者が抱えている葛藤などを見つめていきたい。