老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

「床ずれ」なしの看取り

2023-06-27 07:15:49 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1972 自分は、なかなか死ねない


               訪問診療医師とヘルパーの共同ケア

文乃さん(97歳)は
約一月前から寝たきりになる前
「自分は、なかなか死ねない」、と話していた言葉を思い出した。

先週の月曜日 初めての訪問診療のとき
医師は「あと2,3日かな」と・・・・
訪問看護師、ヘルパー、ケアマネも長男夫婦もそう思っていた。

2週目の訪問診療に医師が訪れた。
背中は猫背になり両足は「く」の字に屈曲しているため
先週は医師が一人で、腹部にプラスチック製の針が思うように刺すことができず難儀されていた(輸液500ml/日)。
看護師がいないため、手助けをしてくれる人がいない。

傍で見ていた自分も手助けはしたが、次回からはヘルパーが必要と思い
「身体介護」を入れた。

腹部に針を刺すとき文乃さんの躰を支えたり、ずれたおむつを直したりしたので、
医師としてはとても助かった、と感謝されていた。

長男がいないと、文乃さんは呼鈴を何度も叩く。
それでも来ないと大きな声で「お~ お~」と叫ぶ。

尿量は100㎖と減ってきた・・・・
食事は2週間余り口にしていない
水を含んだ脱脂綿で唇や口腔を湿らす

長男のこまめな体位交換とヘルパーの陰部、臀部、腹部をきれいにしているおかげで
(7:00,13:00,19:00の3回身体介護、週1回の訪問看護)
褥瘡(床ずれ)はできていない。