1971 一日一日が大切な宝物
『虹の橋からきた犬』の8ページに
「犬の一日は、人間の一週間の速さで流れる。人間にはなにげない一日でも、
犬には大好きな飼い主と触れ合う一日一日が大切な宝物なのだ」。
犬と飼い主との朝夕の散歩は、なににも代えがたい貴重なひとときである。
家族のひとりである元気(beagle 10歳)は「何を考えているのか」、などと思うことがあるけれど
それは人間の勝手な考えだけで、犬は人間の感情を敏感に読みとります。
ワンマン社長であった南野は、隣の老人から子犬のゴールデン・レトリバー ”パステル”を一時的に預かったつもりが
最後まで暮らすことになった。
パステルの純粋さに触れることで、孤独な南野はこころの余裕を取り戻していく。
パステルは膀胱癌を患い、「あと、一、二カ月の余命」を宣告されたのです。
黒崎獣医師は「人間と違って犬は、遥かに我慢強い生き物です。
痛みや苦しみを、極限になるまで表に出しません。
弱っているところを見せたら・・・・飼い主を心配させたくないという思いもあります」(331ページ)
痛くても、苦しくても犬は見た目はいつもとかわらなく映るため、癌がわかったときは病状は深刻な状態であるケースがほとんどです。
先ほど自分は犬は「何を考えているのか」「悩みがあるのか」、と思うのは自分の奢りだということに気づかされた。
南野は、最期までパステルに寄り添い、「いまが幸せなんだ」と感じながら
「パステルが、あとどれくらい生きられるかわからない。
ともに過ごせる日が数ヵ月であっても十数年であっても、パステルとの一日一日を大切にしかたかった」(367ページ)
老人介護も同じである。
残りすくない時間
いま看取りの状態にある97歳の文乃さんも
「あとどれくらい生きられるかわからない」、ともに過ごせる日が僅かしかなく
一日一日が宝物のように大切な「いま」。
「生きる」「死ぬ」 その言葉や出来事をあらためて重く受け留め、文乃さんの命をみつめていきたいものです。
新堂 冬樹『虹の橋からきた犬』集英社文庫
『虹の橋からきた犬』の8ページに
「犬の一日は、人間の一週間の速さで流れる。人間にはなにげない一日でも、
犬には大好きな飼い主と触れ合う一日一日が大切な宝物なのだ」。
犬と飼い主との朝夕の散歩は、なににも代えがたい貴重なひとときである。
家族のひとりである元気(beagle 10歳)は「何を考えているのか」、などと思うことがあるけれど
それは人間の勝手な考えだけで、犬は人間の感情を敏感に読みとります。
ワンマン社長であった南野は、隣の老人から子犬のゴールデン・レトリバー ”パステル”を一時的に預かったつもりが
最後まで暮らすことになった。
パステルの純粋さに触れることで、孤独な南野はこころの余裕を取り戻していく。
パステルは膀胱癌を患い、「あと、一、二カ月の余命」を宣告されたのです。
黒崎獣医師は「人間と違って犬は、遥かに我慢強い生き物です。
痛みや苦しみを、極限になるまで表に出しません。
弱っているところを見せたら・・・・飼い主を心配させたくないという思いもあります」(331ページ)
痛くても、苦しくても犬は見た目はいつもとかわらなく映るため、癌がわかったときは病状は深刻な状態であるケースがほとんどです。
先ほど自分は犬は「何を考えているのか」「悩みがあるのか」、と思うのは自分の奢りだということに気づかされた。
南野は、最期までパステルに寄り添い、「いまが幸せなんだ」と感じながら
「パステルが、あとどれくらい生きられるかわからない。
ともに過ごせる日が数ヵ月であっても十数年であっても、パステルとの一日一日を大切にしかたかった」(367ページ)
老人介護も同じである。
残りすくない時間
いま看取りの状態にある97歳の文乃さんも
「あとどれくらい生きられるかわからない」、ともに過ごせる日が僅かしかなく
一日一日が宝物のように大切な「いま」。
「生きる」「死ぬ」 その言葉や出来事をあらためて重く受け留め、文乃さんの命をみつめていきたいものです。