老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

839;住みづらくなった地球

2018-07-24 04:24:11 | 阿呆者
 住みづらくなった地球

人間の奢りからなのか
地球の温暖化
人間は
豊かな生活を求めてきた
その代償として化石燃料の使用や
森林の伐採
急激に増加した温室効果ガスによる
地球の温暖化
戦争と同じく人間のエゴ
強い国が二酸化炭素の垂れ流し

いま地球が異常に熱いのも
人間の奢りから来る

半世紀前の自然環境と比べ
本当に住みづらくなった
当時は台風がもたらす被害による報道しかなかった
子どもの頃
大型台風上陸で
トタン屋根の平屋住まいより
馬が棲んでいる納屋の方が
しっかりしていて2階建てであることから
その納屋に避難した記憶が蘇った

大雨や台風が上陸するたびに
河川の氾濫や土砂崩れ
「未曾有」「50年ぶりの大雨」「想定外」の氾濫、土砂崩れと
弁解や報道がされるけれど
その対策を怠ってきたのは誰か
車が余り走っていない地方の高速道路(有料道路)の建設よりも
河川などの修復工事を優先すべきかも
政治が貧困だと
自然災害による甚大な被害をもたらす

いま夏冬の季節を乗り越えることが
長生きの鍵ともいえよう
暑い夏
脱水症、熱中症になり
体から水分が奪われ生命を落とす
冬は
インフルエンザによる感染で生命を失う

暑い夏を乗り越え
美しい紅葉を観る
寒い冬を乗り越え
桜花爛漫の春を迎える






838 ; 疑似家族

2018-07-23 14:25:31 | 読む 聞く 見る


是枝裕和『万引き家族』宝島社

初枝 治 信代 亜紀 祥太 ゆり(りん)の6人家族
6人は 血はつながっておらず他人の関係にある
本当の家族ではなく「疑似家族」
疑似家族だけれども
本当の家族以上に「親子」「夫婦」の絆は強かった。
6人それぞれは
この疑似家族で生活する前は、
寂しく孤独であり、幸せではなかった。

昨今における日本の家族とは何か、を問う内容であった。
万引きをすることで家族の生活を支えていた。
憲法第25条の健康で文化的な最低限度の生活にはほど遠かった。
6人の疑似家族の生活は決して豊かな生活ではなかったけれど
そこには家族のぬくもり(絆)があった。

実父から虐待を受けていた5歳のゆり
信代に強く抱きしめられる。


「好きなならね、こうするの」
信代はりんを強く抱きしめた。頬と頬がくっつくくらい、強く抱いた。
自分の頬をひと筋涙が伝わるのがわかった。
・・・・・・(略)・・・・・
この子を抱きしめ、こうして抱きしめられると、自分を形作っている細胞のひとつひとつが、
変質していくのを感じた。
(143頁~144頁)


素直に親に甘え「とうちゃん」「かあちゃん」と呼べずにいる虐待を受けている子どもたち。
初枝婆さんが亡くなった後も 疑似家族はATMから年金を引きだし
生活を支えていた。不正受給だと問題視されるが、本当の問題の根っこは何処にあるのか。
富める者と貧しい者の2極化が更に進む日本社会。
疑似家族から今日の家族問題が垣間見える。


まだ映画は見ていない。


836; 小さな雨蛙

2018-07-22 18:46:00 | 空蝉


小さな雨蛙

酷暑になる前に
四時五十分過ぎ
beagle元気と散歩に
出かけたときのことを
徒然なるままに綴ってみた。

何処に居ても空の下に棲む。
今日は常総國の畦路から空風景を眺る。
処変われば空風景も様変わりする。
関東平野は山が無く、限りなく見とおせる景色が好き。
心が自由になる感じがする。

畦路からヒョッコリ小さな雨蛙が飛び出して来た。
自分と同じく酷暑の前に散歩を始めたのであろうか。
可愛げな跳躍に目を細めた。
小さな小さな生命に心のなかで声援を送った。

外陰癌で他界された婆さんの塔婆が倒れていないか、
beagle元気と散歩の途中、墓場を寄り路した。
三本の塔婆は倒れてなく、ホッとした。
成仏できるようお祈りをした。

路端に向日葵ではなく、秋桜が咲いていた。

834;「介護思想」( 9 ) 老人とその家族から想う

2018-07-22 09:54:12 | 介護の深淵

老人とその家族から想う

老いを迎え
晩年何事もなく
死の瞬間(とき)まで
「元気」に生きていたい。
宝クジ の確率よりも高く
予期せぬ病いや骨折などに遭遇し
要介護老人となってしまった。
これは他人事ではなく、
自分の場合も要介護老人になる確率は高い。
骨粗鬆症、慢性腎不全症、高血圧症、四肢の筋力低下の状態にある。
記憶力が落ちてきているが、
まだ他者のせいにしていないから、
安心はしている。

在宅訪問のとき、ケアマネジャーは
どこまで要介護老人や家族の気持ちをわかっているのか
(理解しているのか)。
ときには、老人と家族介護者の気持ちが
相反することもある。
八十五歳、九十歳の超老人達は、
頑固、我儘な性格である一面、
息子夫婦(娘夫婦)に対し、
忍耐や我慢をしているところがある。

誰でもがそうであるとは限らないが、
自分の家で過ごす自由(時空間)は最高である。
年齢に関係なく家は自由気儘に過ごせる。
気兼ねなく横になりテレビを観たりおやつを食べたりできる。

齢を嵩ね 、日中独居状態 になり
老いた父親(母親)を独りでおくことに不安を抱いた「成人した」子どもは、
「デイサービスに行ったら」と水を向ける。
心底は「(知らない老人達の所へは)生きたくはない」が、
息子夫婦もケアマネジャーも勧めたので、
「仕方なく」デイサービスに通うことになった。

これからはデイサービスの事業所を決める場合には、
ケアマネジャーは
複数の事業所の中から
老人やその家族が選択できるよう
支援していくことが求められる。
それ以上に老人は何の目的でデイサービスに行くのか。
行きたくないのに、行かされている。
二十五人以上も居るようなデイサービスには、
自分ならば行きたくはない。
家族が其処に行かせたい。
福祉法人や医療法人のような大きい組織ならば安心。
ケアマネジャーは「否」と話すことは出来ない。



833;ときどき、ふと思うこと

2018-07-22 04:35:39 | 空蝉
ときどき、ふと思うこと

自分は、ときどき、ふと思うことがある。
自分は、いま生きている。
暑い八月に生まれた自分。
徒らに生き齢六十六になろうとしている。
振り返ると、
生きてきた証明(あかし)を示すものは、
何も無い。
気がついたら浦島太郎に似ている。
何もしないうちに、
時間は過ぎ行き、
気がついたら白髪になっていた。
怒りの人生は少なくなり、
沙時計のようなもの。

鴨長明の『方丈記』の中に
川の流れ は泡沫の如し。
儚く消えてゆく人生。
それだけに何を大切にして生きていくのか。
自分の場合、
恥ずかしながら何も無い 。
「死んだ男が残したものは、妻と一匹の犬」だけかもしれない。
いま在る憂いだけは解決してから、逝く。

散歩 しながら、ふと思う。
自分は、他者になり かわることはできない。
自分は自分でしかないし、
死んだら、自分も其処でお終いだ。
死んだ後の自分は もう考えること感じることも
できなくなる無の「存在」。


830;西瓜

2018-07-20 14:38:25 | 阿呆者
 西瓜

暑いので
クーラーの電源が切れていないか、と気になり
在宅訪問の隙間
昼時自宅に戻る
beagle元気は涼しげな顔
暑さ知らず

小玉西瓜を切る音に
beagle元気は素早く反応
二人並び西瓜を食べる
冷えた西瓜は最高
お互い満足な表情

西瓜を食べ終わった後
beagle元気はトレイに大地図を描く
紙おむつを交換する私




828;暑さに負けるな

2018-07-20 08:35:53 | 老いの光影 第2章
 暑さに負けるな

地上の温度は
何度あるのであろうか
草花は萎れることなく
しぶとく生きている

暑すぎて
歌を忘れたカナリア
体が水を欲しても
水を飲むことがわからない
認知症老人
オシッコが出るからと気にし
水を摂らない老人
クーラーもなく
扇風機も回さず
ベッド上に臥せている老人
紙おむつの暑さと蒸れにも耐え忍ぶ

室内犬は
クーラーの下でまるくなり寝ている
隣りの要介護老人は
熱中症にかかり
救急車で搬送され7日間の入院となった
病室を訪れ見舞う
点滴で元気になりホッと胸をなでおろす

なぜ暑いのに
向こう岸の草を目指そうとしたのか
アスファルトの路上は
干からびたミミズ
蛙の鳴き声は聞こえず
風鈴の音も鳴らない

ブ~ンブンと蚊の音だけが聞こえ
煩わしく首の周りを飛び交う
止まった瞬間に叩くが
逃げられてしまう
蚊はまた攻めてくる
何とも嫌な奴

明け方 虫の鳴き声が聞こえる
虫の鳴き声に一時涼しさを感じる












827;「暑い」夏ではなく「熱い」夏

2018-07-19 14:08:53 | 阿呆者
 「暑い」夏ではなく「熱い」夏

太陽が
東からだけでなく
西からも出て
太陽が2つもあるような暑さ
暑いではなく熱さを感じる

今日は6週間おきの定期受診
来月27日で腎臓移植の手術を受け
10年が過ぎようとしている。
途中、高熱や尿路感染症があったけれど
拒絶反応が起きることもなく無事経過した。
骨粗鬆症が進んでいることが気がかりだが、
転倒に気をつけなければ。
ドナー(妹)と医療従事者に感謝、感謝、感謝です。
救われた生命。
大切にしなければ・・・・と思う。


826;お前は誰だ

2018-07-18 04:43:40 | 老いの光影 第2章
 お前は誰だ

深夜起き出し
トイレに行く。
用足しを終えたあと
洗面所に映る自分の顔
見たことのない顔
知らない顔
鏡に向かって
「お前は誰だ」と話しかけても
うんともすんとも言葉が返って来ない。
鏡映った婆様の顔は
以前黙ったままでいるので、
鏡を見ている婆様は、不機嫌になり
再び大きな声で「お前は誰だ!」と叫ぶ。

葬式等でしばらくぶりにあうと
他人の顔を見てしみじみ思うことがある。
「老けたな・・・・」
自分の顔は、鏡を見ない限りわからない。
葬式から帰り、
自分の顔を鏡で見てみた。
「お前は誰だ」と呟いた。
自分の顔は予期もせぬほど老けていた・・・・・。


825;鮪が飛んできた

2018-07-18 04:30:49 | 阿呆者
 鮪が飛んできた

昨夜の出来事
妻に誘われ
回転寿司に行った。
飛び魚は知っているが
隣りの家族席から
鮪が飛んできた。
新幹線で運ばれてきた寿司皿を取ろうとした
操作ミスで新幹線が突然動き出し
そのはずみで鮪が飛んだ。
大笑いであった。
隣り席の家族も大笑い。