『灰色の 空より白き 雪の舞う』
(はいいろの そらよりしろき ゆきのまう)
『雪雲に 早春の色 消されけり』
(ゆきぐもに そうしゅんのいろ けされけり)
『ひっそりと 待ちに待ちたる 雪の降る』
(ひっそりと まちにまちたる ゆきのふる)
『久し振り 雪の積りて 明日怖し』
(ひさしぶり ゆきのつもりて あすこわし)
『雪降るに 喜びもあり 他は何』
(ゆきふるに よろこびもあり ほかはなに)
『妹居らば 雪合戦に 雪だるま』
(いもおらば ゆきがっせんに ゆきだるま)
『掌に 淡雪ひとつ じわと溶く』
(てのひらに あわゆきひとつ じわととく)
『雪や雪 もう止んだかと 言えぬ僕』
(ゆきやゆき もうやんだかと いえぬぼく)
『知らぬ間に 霙へ変わる 綿の雪』
(しらぬまに みぞれへかわる わたのゆき)
『雪残る 車の屋根の 白さかな』
(ゆきのこる くるまのやねの しろさかな)
『千両の 枝もたわわに 雪被る』
(せんりょうの えだもたわわに ゆきかぶる)