『プチ家出 ラーメン残し 春の嫁』
(ぷちいえで らーめんのこし はるのよめ)
『春朧 足踏み外し 迷い道』
(はるおぼろ あしふみはずし まよいみち)
『祈りしは ふる里に咲く 桃の花』
(いのりしは ふるさとにさく もものはな)
『二人して 頬杖つきし 春の午後』
(ふたりして ほおづえつきし はるのごご)
『春日本 杉山ばかり 花粉症』
(はるにほん すぎやまばかり かふんしょう)
『梅の月 雲に隠れて 香りのみ』
(うめのつき くもにかくれて かおりのみ)
『花椿 雨降りだして もらい水』
(はなつばき あめふりだして もらいみず)
『世の中は 何はともあれ 梅は咲く』
(よのなかは なにはともあれ うめはさく)
『石が上 眠る蛙に 小雨降る』
(いしがうえ ねむるかわずに こさめふる)
『子雀よ 俺はお前に 弱いんだ』
(こすずめよ おれはおまえに よわいんだ)
『藤棚に 吹く風淡く さらさらと』
(ふじだなに ふくかぜあわく さらさらと)
『藤棚に さざなみ寄せて 風通る』
(ふじだなに さざなみよせて かぜとおる)
『藤の花 日毎日毎に 下に伸ぶ』
(ふじのはな ひごとひごとに したにのぶ)