『息長き 信組の前の 玉椿』
(いきながき しんそのまえの たまつばき)
『座り心地 良くもないのに 春の眠』
(すわりごち よくもないのに はるのねむ)
『紅梅の たわわな枝に 鶯の』
(こうばいの たわわなえだに うぐいすの)
『鶯の 見せし腹の うす緑』
(うぐいすの みせしはらの うすみどり)
『黴色の 生駒の山に 春霞』
(かびいろの いこまのやまに はるがすみ)
『春めきて マスクの目立つ 花粉時』
(はるめきて ますくのめだつ かふんどき)
『渋滞の 波に呑まれて 春浅し』
(じゅうたいの なみにのまれて はるあさし)
『堰の春 透き通る音の 心地良し』
(せきのはる すきとおるおとの ここちよし)
『黄水仙 首の傾げの 気にかかる』
(きすいせん くびのかしげの きにかかる)
『きさらぎの 望月の頃 風強く』
(きさらぎの もちづきのころ かぜつよく)
『足止めて たんぽぽ一輪 会話する』
(あしとめて たんぽぽいちりん はなしする)