俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

バレンタインデー

2008年02月14日 | 俳句

『雪が降り 陽照り一日 暮れにけり』
(ゆきがふり ひてりいちにち くれにけり)

『早春の 空より白き 贈り物』
(そうしゅんの そらよりしろき おくりもの)

『義理でよし バレンタインの チョコの欲し』
(ぎりでよし ばれんたいんの ちょこのほし)

『春愁や 明日はもっと 晴れるらし』
(しゅんしゅうや あしたはもっと はれるらし)

『春の夢 そこには妹の 座り居て』
(はるのゆめ そこにはいもの すわりいて)

『けだるさも さびしさもある 春の風邪』
(けだるさも さびしさもある はるのかぜ)

『春の風 虫の好かない 風邪もある』
(はるのかぜ むしのすかない かぜもある)

『春の雪 降っても止んでも はしゃいでる』
(はるのゆき ふってもやんでも はしゃいでる)

『春寒し 生駒の山の 流れ雲』
(はるさむし いこまのやまの ながれぐも)


雪解け

2008年02月13日 | 俳句

『老いたりて またもや引くや 春の風邪』
(おいたりて またもやひくや はるのかぜ)

『咳き込みて 春を知らせる 喉ぼとけ』
(せきこみて はるをしらせる のどぼとけ)

『春浅し うつくしき女 嫁のみか』
(はるあさし うつくしきひと よめのみか)

『春来たる 風邪の薬は 朋ブログ』
(はるきたる かぜのくすりは ともぶろぐ)

『年金の 知らせダブりて 春寒や』
(ねんきんの しらせだぶりて はるさむや)

『春雨や 土の団子に ひと雫』
(はるさめや つちのだんごに ひとしずく)

『雪溶けて もう降るまいね 春の雪』
(ゆきとけて もうふるまいね はるのゆき)

『蠟梅の 透けし花びら 素の心』
(ろうばいの すけしはなびら すのこころ)

『雪解けて 土を割り出る 新芽かな』
(ゆきとけて つちをわりでる しんめかな)

『桃夭や 紅匂う 桃の花』
(とうようや くれないにおう もものはな)


残雪

2008年02月12日 | 俳句

『春暁や 街の白みて 息白く』
(しゅんぎょうや まちのしらみて いきしろく)

『春寒し 剪定されし 枝の先』
(はるさむし せんていされし えだのさき)

『紀元節 窓を開けても 変わりなく』
(きげんせつ まどをあけても かわりなく)

『春浅し 空は晴れても 気は曇る』
(はるあさし そらははれても きはくもる)

『残雪を 見つけて印す 靴の跡』
(ざんせつを みつけてしるす くつのあと)

『春雪を 残して走る 車有り』
(しゅんせつを のこしてはしる くるまあり)

『春の宵 暮れそで暮れぬ うすあかり』
(はるのよい くれそでくれぬ うすあかり)


春の夢

2008年02月11日 | 俳句

『雪の朝 嫁の寝息に 安堵する』
(ゆきのあさ よめのねいきに あんどする)

『道端の 黒雪だるま 細り行く』
(みちばたの くろゆきだるま ほそりゆく)

『雪溶けて ぬかるみの道 重苦し』
(ゆきとけて ぬかるみのみち おもくるし)

『真夜中の 双子の写メール 春来らし』
(まよなかの ふたごのしゃめーる はるけらし)

『咲き誇る 花を枕の 春の夢』
(さきほこる はなをまくらの はるのゆめ)


淡雪

2008年02月10日 | 俳句

『灰色の 空より白き 雪の舞う』
(はいいろの そらよりしろき ゆきのまう)

『雪雲に 早春の色 消されけり』
(ゆきぐもに そうしゅんのいろ けされけり)

『ひっそりと 待ちに待ちたる 雪の降る』
(ひっそりと まちにまちたる ゆきのふる)

『久し振り 雪の積りて 明日怖し』
(ひさしぶり ゆきのつもりて あすこわし)

『雪降るに 喜びもあり 他は何』
(ゆきふるに よろこびもあり ほかはなに)

『妹居らば 雪合戦に 雪だるま』
(いもおらば ゆきがっせんに ゆきだるま)

『掌に 淡雪ひとつ じわと溶く』
(てのひらに あわゆきひとつ じわととく)

『雪や雪 もう止んだかと 言えぬ僕』
(ゆきやゆき もうやんだかと いえぬぼく)

『知らぬ間に 霙へ変わる 綿の雪』
(しらぬまに みぞれへかわる わたのゆき)

『雪残る 車の屋根の 白さかな』
(ゆきのこる くるまのやねの しろさかな)

『千両の 枝もたわわに 雪被る』
(せんりょうの えだもたわわに ゆきかぶる)


春雨

2008年02月09日 | 俳句

『二列車 遅れて乗れば 春の増し』
(ふたれっしゃ おくれてのれば はるのまし)

『高架下 春の兆しも ちらほらと』
(こうかした はるのきざしも ちらほらと)

『春の京 ええトコええコト あるらしき』
(はるのきょう ええとこええこと あるらしき)

『冬の勇 優先座席 ただ一人』
(ふゆのゆう ゆうせんざせき ただひとり)

『春なのに 冬鳥ばかり 目について』
(はるなのに ふゆどりばかり めについて)

『娘来て 春雨降らず 鍋の中』
(むすめきて はるさめふらず なべのなか)

『法華経の 縁も無いのに 鶯鳴く』
(ほけきょうの えんもないのに うぐいすなく)

『春の戸を 早く開けろと 陽光洩れ』
(はるのとを はやくあけろと ひかりもれ)


春が来た

2008年02月08日 | 俳句

『はぐれしか 冬の川鵜の 一羽飛ぶ』
(はぐれしか ふゆのかわうの いちわとぶ)

『春と冬 うっちゃられて 戻り冬』
(はるとふゆ うっちゃられて もどりふゆ)

『娘来る この一報に 春が来た』
(むすめくる このいっぽうに はるがきた)

『余寒とぞ 思えば許す 寒さかな』
(よかんとぞ おもえばゆるす さむさかな)

『猫柳 さわりごこちも ふくよかに』
(ねこやなぎ さわりごこちも ふくよかに)


旧正月

2008年02月07日 | 俳句

『眠たさも 半端でなくて 春気分』
(ねむたさも はんぱでなくて はるきぶん)

『乗り越しの 夢見て眠る 春の夢』
(のりこしの ゆめみてねむる はるのゆめ)

『春浅し 前行く人の 足早く』
(はるあさし まえゆくひとの あしはやく)

『初恋の 色もなつかし 黄水仙』
(はつこいの いろもなつかし きすいせん)

『東風吹かば 梅の便りも ちらほらと』
(こちふかば うめのたよりも ちらほらと)

『梅よりも 桃の香りの 欲しき頃』
(うめよりも もものかおりの ほしきころ)

『本日は 旧正月に 新月に』
(ほんじつは きゅうしょうがつに しんげつに)


冬薔薇

2008年02月06日 | 俳句

『生垣に 見つけてうれし 冬薔薇』
(いけがきに みつけてうれし ふゆそうび)

『快晴の 冬の陽浴びて 通勤す』
(かいせいの ふゆのひあびて つうきんす)

『冬電車 降りる気配に 騙されて』
(ふゆでんしゃ おりるけはいに だまされて)

『冬電車 やっと座れし 最後尾』
(ふゆでんしゃ やっとすわれし さいこうび)

『まぶしさに 嬉しさ感ず 春の朝』
(まぶしさに うれしさかんず はるのあさ)

『いつまでも 続く訳ない 春日和』
(いつまでも つづくわけない はるびより)

『猫柳 風に吹かれて 蕾増し』
(ねこやなぎ かぜにふかれて つぼみまし)

『探梅や 大阪城も 待っている』
(たんばいや おおさかじょうも まっている)

『北の妹 小さい春を 見つけしや』
(きたのいも ちいさいはるを みつけしや)

『年金も 餃子も不安 冬旱』
(ねんきんも ぎょうざもふあん ふゆひでり)

『冬電車 帰りは遅延 超満員』
(ふゆでんしゃ かえりはちえん ちょうまんいん)


立春

2008年02月05日 | 俳句

『立春に ふるさと寒いと 電話あり』
(りっしゅんに ふるさとさむいと でんわあり)

『立春や 孫の写真の 赤頭巾』
(りっしゅんや まごのしゃしんの あかずきん)

『立春や 闇夜に鴉 カーと啼く』
(りっしゅんや やみよにからす かーとなく)

『立春は 名ばかりにして 腹の立つ』
(りっしゅんは なばかりにして はらのたつ)


立春

2008年02月04日 | 俳句

『暦の上 今日立春 まだまだだ』
(こよみのうえ きょうりっしゅん まだまだだ)

『願わくば 立春大吉 探すのみ』
(ねがわくば りっしゅんだいきち さがすのみ)

『水温む 川面キラキラ 春の顔』
(みずぬるむ かわもきらきら はるのかお)

『冴え返る 昔飲んべえと 呼ばれし身』
(さえかえる むかしのんべえと よばれしみ)

『残寒と 思えば景色も 様変わり』
(ざんかんと おもえばけしきも さまがわり)

『水温み 満員電車も 寝台に』
(みずぬるみ まんいんでんしゃも しんだいに)

『春が来た 雪が降ってても 春が来た』
(はるがきた ゆきがふってても はるがきた)

『風走る 立春の日に 我歩く』
(かぜはしる りっしゅんのひに われあるく)

『節分会 鰯に替えて 秋刀魚なり』
(せつぶんえ いわしにかえて さんまなり)

『折り鶴の 中途のままに 春が来た』
(おりづるの ちゅうとのままに はるがきた)


節分

2008年02月03日 | 俳句

『節分会 妹遠のきて 鬼やらず』
(せつぶんえ いもとおのきて おにやらず)

『節分や 鬼も身近に なりにけり』
(せつぶんや おにもみじかに なりにけり)

『手枕を 真似する人に 春近し』
(てまくらを まねするひとに はるちかし)

『お手玉の 掠れし音や 春隣』
(おてだまの かすれしおとや はるどなり)

『春近し 土日はいつも 雨模様』
(はるちかし どにちはいつも あめもよう)

『春はまだ 餃子遠のき キムチ鍋』
(はるはまだ ぎょうざとおのき きむちなべ)


桜の芽吹き

2008年02月02日 | 俳句

『春近し 蕾もみんな 膨らんで』
(はるちかし つぼみもみんな ふくらんで)

『駐輪場 桜の芽吹き 確かめつ』
(ちゅうりんじょう さくらのめぶき たしかめつ)

『朝日にも 春を感ずる 昨日今日』
(あさひにも はるをかんずる きのうきょう)

『日一日 日脚伸びゆき 背も伸びて』
(ひいちにち ひあしのびゆき せものびて)

『べた凪の 淀の川面の 冴え返る』
(べたなぎの よどのかわもの さえかえる)


二月

2008年02月01日 | 俳句

早いもので、もう二月です。


『寒鴉 剪定されし 杉の木に』
(かんがらす せんていされし すぎのきに)

『街に見る 冬ホトトギス 膨れおり』
(まちにみる ふゆほととぎす ふくれおり)

『寒椿 名札隠れて 花は散り』
(かんつばき なふだかくれて はなはちり)

『何もせず ただ何もせず 春を待つ』
(なにもせず ただなにもせず はるをまつ)

『はや二月 正月ぼけも 抜けぬまま』
(はやにがつ しょうがつぼけも ぬけぬまま)

『ねこやなぎ 蕾膨らみ もうすぐや』
(ねこやなぎ つぼみふくらみ もうすぐや)