HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

アウフタクト(弱起)の曲「めぐり逢い」🎵

2025年02月07日 | 音符・楽譜・テクニック

りらつくまさん(メンズ):

大好きな「めぐり逢い(アンドレ・ギャニオン)」の曲を弾きたい一心でデジタルピアノを購入、一念発起してピアノレッスンにも入門、そして早や半年。(経緯のニュアンス違うかもしれないけど、大体合ってると思う)

弾いてますよ、「めぐり逢い」!

毎週レッスンするたびに新しい発見やアドバイスがあり、どんどん深みにはまっていく。

昨日のblogで「クレメンタインのアウフタクト(弱起)」について言及したタイミングでもあり、りらつくまさんのレッスンでもそのことについて触れました。

「めぐり逢い」はカナダのアンドレ・ギャニオンが作ったイージーリスニング曲ですが、その優雅なピアノの音色のため クラシック曲かと思っている人もけっこういるようです。

その優雅さの要因の一つには、この曲がアウフタクトで始まっているということも、もしかしたら関係しているかもしれませんよ。

冒頭がアウフタクトで始まってるということは、その後に続く曲全体のどのフレーズもアウフタクトで始まるのが定石です。

アウフタクトの曲では、メロディーフレーズが どれも1クッション置いてから第一拍目に入ることによって、一呼吸おいた柔らかな雰囲気のようなものが醸(かも)し出されるような気がします。

もう一曲、「めぐり逢い」と同じように人気が高いイージーリスニング曲「渚のアデリーヌ(リチャード・クレイダーマン)」と比較してみましょう。


こちらはアウフタクトではなく第1拍目から始まります。

曲中のどのフレーズも 強拍である第1拍から始まるので、優雅ながらも 曲全体にきっぱりとした力強さやメリハリ、煌(きら)びやかさを感じませんか?

あくまで明るくキラキラと前向きな「アデリーヌ」を聴くと、「めぐり逢い」 に感じられる優しさや柔らかさ、ちょっとくぐもったような切なさなどの所以(ゆえん)は、「めぐり逢い」がアウフタクトの曲だから、ということも、欠かせない要因の一つだと私は思うんですが、あなたはどう思う?

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クレメンタイン「不完全小節」を発見🎵

2025年02月07日 | 音符・楽譜・テクニック

「あのさ、なんか…」

先週から「クレメンタイン」が課題になったごましおくん(小4)が言いました。

「この、最後のとこがなんか変だなって…」

楽譜を指さして彼が言ったのは、曲の最後の部分です。

楽譜を見た先生は言いました。

「最後の小節、音が足りないってこと?他のところは全部 1、2、3、って3拍ずつあるのに、最後だけ音が足りなくて気持ち悪いみたいな?」

「うん」

ひょおー、よく気がついたね!そう、確かに全部の小節3拍ずつあるのに、最後だけは2拍しかないね。

「その、足りない3拍目はどこにあるのか?!それは」

先生が指さしたのは

「ここ!」


そう、曲の冒頭です。

「最後の小節になかった『3拍目』はここにあるんだよ。この『クレメンタイン』の曲、最後にリピートマークがついてるから2回続けて弾くんだよね?そのとき、最後がきっちり3拍あったら、2回目を弾く時すんなり行かないんじゃない?最後が2拍だからこそ、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃ、オーマイダーリン、ってうまーくつながるじゃない?」

「うん、確かに…」

「こういう、きっちり1拍目から始まらず弱拍から始まるスタイルのことを『アウフタクト(弱起)』っていうんだけど… 曲の終わりの1、2、そして始めの3。ねっ、これで完全になるでしょ。最初の小節は、実は3拍目から始まってる。1拍しかなくて不完全。だから『不完全小節』っていうの。最後の小節も同じ。2拍しかなくて不完全だから不完全小節。」

先生はごましおくんの楽譜に『不完全小節』と書きました。

「不完全と不完全が合わさって、完全ができる。ねっ?」

「ふーん」

「普通、この段階で子どもには『不完全小節』なんて言葉は教えてないんだけどね」

と、先生はチラッと横目でごましおくんの顔を見ながら言いました。

「大人には言うの?」

「大人には言うよ。でもチビっこに『不完全』とか難しいでしょ?だから言わないんだ」

「うんうん、確かにね」

「ごましおくんだから言っちゃうけどさ」

と、「キミは大人」感を強調して、ごましおくんのプライドをくすぐっておく。

「最後の拍が少ないなんて、気がつく人少ないし」

とさらにたたみかけて「大人だねビーム」集中砲火、すっかりいい気分になってたごましおくんなのに

先週習った「ポジションの移動」をおざなりにして怒られ、せっかくの「大人感」も台無しになった場面が、昨日のブログ「指番号のお話〜クレメンタイン」です。

とはいえ、曲の最後の不完全小節に気がついたのはさすがなので、怒られた日記だけじゃなく 褒められた記事も書いておきました。

って、結局そのあとでは怒られたんだから、あんまり名誉挽回にはなってない?

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