三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

東北の神楽。

2016年06月05日 | 鑑賞
先週の話になってしまいましたが、
文楽劇場で開催された「東北の神楽」公演を観ました。



本公演だと、プログラムは有料販売ですが、
この公演ではプログラム無料配布。
そこは有料販売で良かったんじゃないんですか?
それで、その分も出演団体に持ってってほしかったなぁ…


東日本大震災後の、あの”自粛”ムードは何だったのか。
あのとき、音楽をやることの意味だとかを
やたら深刻に多くの人が考えていたようだけれど、
(もちろん私だって考えなかったわけではないけど)
東北の神楽は、そんなものとは全然別次元の、
本当に生活の中に生きている芸能だった。
音楽や芸能に意味があるのだとすれば、
こういうものの中にこそあるんだと思った。
自分の生まれ育った場所には、
祭も芸能もないから、
そういうものを持っている人たちが心底羨ましい。


どの演目も素晴らしかったけど、
個人的にいちばん印象に残ったのは「えびす舞」。
「山の神舞」の「荒舞」のかっこよさは、
すでに”知っている”かっこよさだったけれど、
この「品舞」の動きの柔らかさに惹きこまれた。
どちらの舞も動きの要素は似ているけれど、
そのつながり方が違って、
全体の印象がまるで変ってくる。
津軽三味線で言えば、
「荒舞」が「叩き三味線」で、
「品舞」が「弾き三味線」にあたる感じか。
分かりやすいかっこよさではないけれど、
それで魅せるのは実は相当難しいんだろうな、と。
でも、素敵だった…

それにしても
東北の芸能にこれほど心ひかれるのは
本当に何故なんだろう。

今年の夏は、また東北に行けるかもしれません。



コメント
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