三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

地球ゴージャス

2016年03月28日 | 鑑賞
日曜は地球ゴージャス「The Love Bugs」を観てきました。



前半はメインキャスト紹介みたいで
なんだかストーリーがつかめないなと思いきや、
後半はぐいぐい物語の世界に引き込まれました。

自然破壊、戦争、核、
愛すること、たたかうこと、いのち。
どれも単純なことではないし、
絶対の正解もない。
でも、目を背けてはいられないこと。

直球のエンターテイメントだからこそ伝えられるメッセージ。

エンターテイメントには何ができるだろう。
あのときの問いはずっと続いているし、
これからも向き合い続けなければならない。

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天Qレディースナイト。

2016年03月28日 | ライヴ日記
出会いと別れの春~

という常套句を嫌がってる方もありますが、

そんな季節ですので
急に身辺慌ただしく
ほとんど練習らしきものもせずに
26日は天Qレディースナイトに参加してきました。

総勢11組の“女性”アーティストが集まってのライブ。
かわいいひと、かっこいいひと、
癒し系のひと、パワフルなひと、
女装するひと、男装するひと、
ウクレレ弾くひと、三味線弾くひと(私か)、
みなさん個性溢れるステージでめちゃくちゃ面白かったです。



そんな日の着物はこれ。
金本監督の初勝利を祈願してのトラッキーコーデ。

そして、水樹ゲルトナーさんのJoshinの歌に勇気づけられ、
何年ぶりかの六甲おろしを唄いました。笑
二上りだったか、本調子だったかもちょっと怪しい感じでしたが、
やっとくべきでしょ、な勢いで。

セットリストは

津軽アイヤ節
りんごメドレー
満月の夕
六甲おろし

でした!



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シンクロニシティ。

2016年03月14日 | 読書
偶然の一致。

読む本がどこか繋がっている。

それはもちろん、自分で選んで読んでいるのだから
何かしら通じてはいるのだろうけれど。


女たち三百人の裏切りの書
古川日出男
新潮社



死後百年、紫式部の怨霊が現れて
「本物の宇治十帖」を語りなおす、という筋に惹かれて
珍しく小説を読んでいたら、
「まつろわぬ者」すなわち「蝦夷(えみし)」が出てきたりして。

蝦夷。
ヤマト王権に最後まで抵抗した東北の人々。

先日紹介した赤坂憲雄『ゴジラとナウシカ』にも
「まつろわぬ民」が出てきました。

あぁ不思議だなぁ。
私はきっと遡って遡っていけば縄文人だと思う。
決して弥生人ではないはずだ。



そして今現在、私は浮舟だ。
両天秤の仕儀になる浮舟か・・・

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励まされている。

2016年03月11日 | つれづれ
館内放送が流れて14時46分、黙祷した。

あれから、東北を想うといつも涙が出そうになる。


昨日、テレビで星野仙一さんを見た。
東北楽天を日本一に導いた元監督として、
宮城の仮設住宅を訪ねていた。

その後、

励まそうと思って行ってるのに
逆にこっちが励まされた気がする

というようなことを言っていた。


まさにそうだと思う。
あれから、ずっとそう感じている。
それまでも、そのときも、それからも、
ずっと貰っているばかりなのだと。





1月に岩手に行って
最初に演奏した大槌町の復興住宅でのこと。
演奏が終わってから、お菓子とパンを差し入れてくれた方がいた。
きっとすぐ近くにお住まいで、急いで取りに帰って持ってきてくれたのだと思う。
私たちの方が何かをいただくなんて...
という話を、翌日、盛岡でお会いした別の方にしたら、

それはね、本当に喜んでくれたということなんだから
貰っておいていいんですよ

と言われた。
その時はもう本当に泣いてしまった。



今日、黙祷した。
思ったのは今そこで暮らしている人たちのことだった。
震災が起きたのは5年前のこと。
でも、それは終わってはいない。
それなのに、私はずっと励まされ続けている。



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あの日、マーラーが。

2016年03月10日 | 読書
あの日、2011年3月11日の夜、
東京のすみだトリフォニーホールでコンサートが開かれた。
演奏されたのはマーラーの交響曲第五番。

この実話をもとに作られた小説が『あの日、マーラーが』。

あの日、マーラーが
藤谷治
朝日新聞出版



こんなときに音楽なんて。娯楽なんて。

そう思いながらも
コンサートを開いた人たちがいて、
演奏した人たちがいて、
聴きに行った人たちがいる。
それぞれの想い、それぞれの事情を抱えて。

あの後、しばらくの間、世の中は“自粛”ムードで覆われた。
多くのイベントが中止あるいは延期されて、
実際に私も依頼されていた演奏がキャンセルになったりもした。
そんな“自粛”ムードに違和感を感じてもいたけれど、
それを口に出せるほど、自分の音楽に確信もなかった。

批評時空間
佐々木敦
新潮社




こちらの著者は、震災の二日後である3月13日に予定されていた
自身の主催イベントを中止し、
同じ日に予定していた、別の劇団のアフタートークへの出演を辞退した。

もしも時間が巻き戻せたとしても、やはり私は同じようにするだろう。それはそうだ。
だが、そもそもタイムマシンは、この世に存在していないし、そして私は今も、泣きたい
ほどに後悔している。



正解はないのだ。
あのときにも。今も。これから先も。

でも、すべては正解なのだ。
私のも。あなたのも。誰のものも。

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ゴジラとナウシカ。

2016年03月09日 | 読書
「東北学」の赤坂憲雄氏が、
震災後に観たのは怪獣映画「ゴジラ〔1954年〕」とアニメ映画「風の谷のナウシカ」だったという。


ゴジラとナウシカ 海の彼方より訪れしものたち
赤坂憲雄
イースト・プレス



不思議な縁を感じてしまう。
私もその二つの映画がずっと好きだった。
その二つを結びつけて考えたことはなかったけれど、
こうして並べられると確かに繋がっていると思う。

ゴジラは誕生した時から核の影を背負い、
ナウシカの生きているのは核戦争後に文明が滅んだ世界。
ゴジラの来襲と、王蟲の大群。
どちらも人間から見れば大海嘯(おおつなみ)に違いない。


それにしても、
昔から怪獣映画が大好きだったのは、
理由のないことではなかったのだ、とわかった。
怪獣映画には、民俗学のモチーフがちりばめられているらしい。
神話や民話、神事や芸能。
それは普段から惹かれる分野だ。
あぁ、繋がっているんだなぁと腑に落ちました。


ハリウッド版ゴジラは私はやっぱり不満が残るので、
今年、ついに日本版ゴジラの新作がある、というのは
とても楽しみ。



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春を恨んだりはしない。

2016年03月08日 | 読書
岩手に行く前にこれを読んでいた。

春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと
池澤夏樹
中央公論新社



タイトルに取られているのは
ヴィスワヴァ・シンボルスカの「眺めとの別れ」という詩の一節であると、
書名と同じ名前をもつ第二章で紹介されている。

その詩に続けて、
古歌「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」が引かれている。

あの年の春にも桜はいつもと同じように美しく咲き、
今年もまた同じように咲くのだろう。

春というのはやはり象徴的だ。
芽吹く季節。色彩が変わる季節。
季節がまた巡ってきたことを感じさせる。
だから、不在もまた感じられるのだろう。

あれから、この季節が巡ってくるたびに
誰もが思い出すことになる。


自然というもの、
ときに猛威を振るい、人の心など関係なく過ぎてゆくものを
日本人が古来どのように捉えてきたか、
それは現代においても実はさほど変わっていない、
そのことが、どのように社会に影響を与えてきたか、というあたりで、
良くも悪くも、私は、私たちは、日本人なのだと思った。


だから、桜は何よりもその象徴に見えてくる。

ずいぶん前に、桜をモチーフにした唄を書いた。
今度書くときにはきっと、あの古歌を思い出すだろう。



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美しいものを見せるということは。

2016年03月03日 | 三味線のはなし
舞台作品を観るときに
何を期待するかは人それぞれ。
あるいは、作品によりけり。

美しさにもいろいろある。

ただただ綺麗だなぁという思いで満たされることもあれば、
哀しみを纏った美しさもあり、
狂気を孕んだ歪な美しさもあるだろう。
中には、観てもよくわからない作品もある。

何を見たいか。
何を見せたいか。

私の中には、両極への志向がある。

このひととき、とにかく楽しんでほしいというライブもあるし、
自分の限界に挑むシリアスな作品もやりたい。

どっちつかずなのか
欲ばりなのか
まだ己のことが理解できていないのか

これ一本!
というのが、なかなか絞れないのです。


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久々に。

2016年03月02日 | ライヴ日記
舞踊家の若柳吉御前さんと
久しぶりにイベント出演。



長らく育児休業中の篠笛奏者にいわせると、
私にいちばん合ってるのは吉御前さんなんだそうだ。



三味線体験コーナーもさせていただき、
思ったよりもたくさんの方が、やってみたい!と集まってくださいました。

こういう体験コーナーみたいなときに
意外と難しいのが、三味線の構え方。
津軽三味線は比較的、構えやすいのですが
それでもなかなか決まらないものです。
私の伝え方が至らないのでしょう…

和の伝統文化を身近に親しんでもらうために。

いろいろ頑張っていきたいと思います。


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