三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

『苦海浄土』。

2021年07月19日 | 読書
長編小説に挑戦してみようと思い立ち。
石牟礼道子『苦海浄土』全三部を読了。

 
安らかにねむって下さい、などという言葉は、
しばしば、生者たちの欺瞞のために使われる。

当たり前だけど
ものすごく重い気持ちになるというか
重いものがお腹に溜まっていく感じがするというか。
でも、読み進めずにいられない力のある文章。

読んでいる間中、もうかなり最初の方から、
これは水俣病の話だけれど水俣病だけの話じゃない、と感じ続けた。
公害病だけの話でもない、
たとえば原発問題とも同じ話で、
昔の話でもなく
地方に限った話でもなく
今だって同じ構造はあちこちに存在して
何なら今のこのコロナ下の状況とも重なる部分がある。
そのことに、何より衝撃を受けました。

不幸を書くには人は幸福を知らなければならない。
そうでないと何が失われたかがわからない。

とは、池澤夏樹の解説文の一節。
確かに、確かに、読んでいて胸を刺されるように痛むのは
患者さんたちが奪われたものを思うから。
かつての不知火海の豊かさや輝き、
そこに寄せる思いの深さが伝わってくるから。

これが「日本文学全集」ではなく「世界文学全集」のシリーズに
入っていることもポイントだなぁと思う。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►演奏予定
 7月30日(金) 三味線三昧@京都・天Q
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。

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