長編小説に挑戦してみようと思い立ち。
石牟礼道子『苦海浄土』全三部を読了。
安らかにねむって下さい、などという言葉は、
しばしば、生者たちの欺瞞のために使われる。
当たり前だけど
ものすごく重い気持ちになるというか
重いものがお腹に溜まっていく感じがするというか。
でも、読み進めずにいられない力のある文章。
読んでいる間中、もうかなり最初の方から、
これは水俣病の話だけれど水俣病だけの話じゃない、と感じ続けた。
公害病だけの話でもない、
たとえば原発問題とも同じ話で、
昔の話でもなく
地方に限った話でもなく
今だって同じ構造はあちこちに存在して
何なら今のこのコロナ下の状況とも重なる部分がある。
そのことに、何より衝撃を受けました。
不幸を書くには人は幸福を知らなければならない。
そうでないと何が失われたかがわからない。
とは、池澤夏樹の解説文の一節。
確かに、確かに、読んでいて胸を刺されるように痛むのは
患者さんたちが奪われたものを思うから。
かつての不知火海の豊かさや輝き、
そこに寄せる思いの深さが伝わってくるから。
これが「日本文学全集」ではなく「世界文学全集」のシリーズに
入っていることもポイントだなぁと思う。
椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►演奏予定
7月30日(金) 三味線三昧@京都・天Q
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