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三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

梅原猛『古典の発見』。

2019年06月25日 | 読書

古典的名作、といわれるものを
ちゃんと知りたいと思うのである。
そこに、表現や創作の源泉があるような気がするのだ。

古典の発見 (講談社学術文庫)
梅原 猛
講談社


日本人の美意識を貫く「死の美学」。
ものすごくよくわかるし、
実際、自分が魅かれるのもそういう美学なのだと思う。

『万葉集』の時代から
挽歌の中で、死においてもっとも純粋にうたわれる愛があり、
『源氏物語』にも仏教的な死の哲学が遍在し、
死者を主人公とする能が誕生する。

私は能にとても興味がある。
わからないけれど何か惹かれる。
地歌でも、能に題材をとっている曲ばかりやりたい。
道成寺とか。(笑)

浄瑠璃も、見せ場は死の場面にある。
近松の『曽根崎心中』から、竹田出雲の『仮名手本忠臣蔵』に至るまで。

近代文学においても、それは変わらない。
太宰治、坂口安吾、川端康成、三島由紀夫、、
そういう死の匂いの漂う作品になぜか引き寄せられる。

この感覚は、もう遺伝子レベルで染みついてるのかもしれないな。
そんな辛気臭いものは勘弁、という人もいるんだろうけど、
私には、その薄ら昏さが馴染むのです。
決してリアリズムではなく、シンボリックな美の世界。
あぁ新作をやりたいな。


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