三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

べっ甲調撥。

2021年09月03日 | 三味線のはなし
三味線というと
犬猫の皮を使うとか
ワシントン条約で規制されている象牙や鼈甲を使うとか
何かと肩身の狭いものです。

どうしても今までと同じもので、という拘りはない。
ただ、やっぱり音色が違うと感じてしまうと
完全に代替素材に移行するのはまだ難しいのかなとも思う。
大多数の人にその音の違いなんか分からない、
PA通してしまえば更に分からなくなるだろう、
とは思えども。
結局は、自分がどう感じるか、だったり。

今回、結構評判の良さげな
津軽用のべっ甲調撥パンテーラを試してみました。


見た目には区別がつかないくらい。
左が本物のべっ甲撥、右がパンテーラ。
持った感じ、重さとか、しなり具合は悪くない。

でも、弾いてみると、ちょっと違和感。
ビミョーに弾きにくい。
いや、私が最近、津軽三味線から離れすぎてたからかな、と思って
いつもの撥で弾いてみたら、やっぱり違う。


これ。写真でわかりにくいけど、
撥先の厚みがだいぶ違う。
これだけのことでも、スクイが引っかかったりする。
慣れれば大丈夫なのかな?
あとは、音色もちょっと重め。
べっ甲撥の方がクリアに鳴る。
それと、糸がめちゃくちゃ傷む。
(津軽でも絹糸を使う派です)


もうちょっと慣れるまで家で使ってみるけど、
今の感じだと本番では回避しちゃうかなぁ。
いや、義太夫のあの太い撥で弾いてる人が
これくらいの厚みで文句云うなよ、て感じだけどさ。笑
津軽三味線にこそ繊細さを求めているので。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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