三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

『象は忘れない』。

2022年06月12日 | 読書
福島第一原発事故以後を舞台とした短編集『象は忘れない』。
各章のタイトルが謡曲から採られているのが興味深い。

 
全体に救いのない物語である。
多分、今まで無意識のうちに
どこかに微かな光が見えそうな作品を選んで
私は読んできたのだろうと思う。
現実はそうではないからこそ。

中でも、東京に避難した母子を描いた「卒塔婆小町」 は
ラストの急展開に背筋が寒くなる思いだった。
それは正しいことではない、けれど
あぁそういうこともあるだろうと思わされる。

象はとても記憶力が良くて
自分が受けた仕打ちは決して忘れないという。
それにひきかえ人間は忘れっぽすぎる。
忘れやすいと自覚するからこそ
こうして読み続けている。
思い出して、考え続けるために。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►活動予定
 6月18日(土) 義太夫体験教室@一心寺・南会所
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。
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