ふるさとを感じ,自然に親しむ,そんな機会が今の子には確実に減っています。仕事場にやって来る子に「土曜日,なにをしているの?」と尋ねると,「家でゲームをしている」という返事がいちばんに返ってきました。時間があれば,ゲーム漬け・テレビ漬けになっている一端が見えてきます。
それなら,すこしでも子らが外に出て活動できるように仕組むのがわたしたちの仕事になるのではないかと思い,土曜日だけに活動する『ちょこっと探検隊』を結成することにしました。ただ,これは不定期に行い,1時間だけのメニューにして,その内容についてはわたしが主導するものの,子らとの相談で決めることにしました。
今描いている内容は,裏山探検・発見ごっこ,山頂から「ヤッホー!」と叫ぶ,冬の昆虫探し,落ち葉で焼き芋づくり,ターザンごっこ,冬のセイヨウタンポポ探し,冬芽探し,杉玉鉄砲づくり,象糞ペーパーづくり,……,そんな感じです。子どもから出てくるものもたくさんあるはず。自然がある限り,テーマは事欠きません。マアいってみれば,ミニ自然教室なのです。
集まったのは小学3年生4人。この子らはギャング時代の真っ只中にいます。屈託なく思ったとおりに話し,行動します。反応がはっきりしているので,わたしも遠慮なく付き合えます。仕掛け人として,また地域人として,子らにできるだけ質のいい体験を提供したいと思っています。そして,わたしも子らからどっさり学んでいきたいと思うのです。
11月8日(土)は近くの川原で火打石を探しました。メンバーの1人は,今夏,「火打石で火を起こそう」という体験教室で学んだTさん。彼がリーダーになって,他のメンバーにコツを伝えてもらいました。石は次から次へと見つかり,子らは活動に大満足。
11月15日(土)。わたしが子らのためにつくっておいた火打ち金をプレゼント。火の怖さ,扱い方を伝えてから,Tさんに発火法を実演してもらいました。簡単に成功。この後,各自が試みました。驚くほど簡単に,みんなが成功。火との新しい出合いがここにはあったはずで,十分に充実感を覚えたようです。1時間ちょうどの活動で,「えっ! もう1時間が経ったの?」といっていましたから。
次は簡単な調理をすることになりました。火を起こして,その火でポップコーンをつくるのです。ついでに焼き芋づくりをしてもいいなと密かに思っています。ゲームやテレビより,はるかにたのしさが味わえるでしょう。