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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

野外で見た蛹(続)

2014-11-02 | アカタテハ

産付された卵が孵化してから,無事に成虫にまで育って次の世代づくりに関われる確率はほんの1,2%。卵,幼虫,蛹,成虫,それぞれの時期に天候や外敵,病気などに災いされていのちを失っていく個体が相当に多いということです。

今回カラムシ群落で見たアカタテハの蛹で考えてみましょう。じつは7個体のうち,二つがふつうでない姿をしていたのです。ふつうでないというのは,どうも異変が生じているようにしか見えないということです。

そのうちの一つ。殻の一部がなくなって,中が透けて見えます。翅脈と思われる筋がたくさんあります。このままだと内部が乾いてしまい,結果いのちが奪われるような気がしますが,どうなのでしょうか。指を触れても動かないのが気がかりです。

 


別の一つ。殻の一部が黒くなり,光沢を放つ金色部分が広がっています。いったいなにが起こっているのでしょうか。この蛹も動きません。

 


これら二つの事例は,自然が生きもののいのちにとって常に厳しい側面を持ち続けていることを示しています。この2個体から成虫が生まれるのか,気にかけておこうと思います。

 


オオヒメヒラタアブの孵化殻・幼虫

2014-11-02 | ヒラタアブ

オオヒメヒラタアブの産卵風景を観察してから, 「これなら,孵化後の成り行きを観察できるかもしれないな」と思い始めました。もしそれができたら,卵から羽化に至るまでの一連の変化を見届けることができるかもしれないのです。オオヒメヒラタアブについては,まったく初めての観察であり,我が家の庭での事象でもあります。それで,とりあえず,成長を追ってみることにしました。

まずは孵化直後の形跡を見つけることです。たとえば,孵化したばかりの幼虫とか,卵殻とか。さっそく,ルーペを手に探すことにしました。しばらくして,葉の表側に付いた殻を発見しました。


抜け殻なので,かたちこそ変わってしまっていますが,長さも表面の突起もオオヒメヒラタアブの卵殻にまちがいありません。 

 
一つ見つかると,二つめからは比較的容易に見つかり始めました。なかには,一つの蕾に三つもの殻が付いた例がありました。意外にかためて産んだり,あちこちを訪れていたりするようで,目を向けてさえいればヒラタアブの生態がかなり見えてくると思われます。

 


それに,大きな幼虫まで見つかりました。ただ,これがオオヒメヒラタアブのそれという確証はありません。クロヒラタアブあたりかもしれません。


それはともかくとして,これまでに他のヒラタアブの幼虫を見ているので,よく似ているなあという感じです。葉の表面にいたことを考えると,たぶんこれは終齢幼虫なのでしょう。蛹になる前の,場所を選ぶ行動かなと思いました。結局,それを確かめたくて採集することに。もちろん,室内で観察するのです。