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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋模様

2014-11-06 | 随想

秋が深まります。野山の風景が日ごとに変わっていきます。色の変化がみごとです。秋ならではの静かな静かな佇まいが,あちこちにあります。そこここの風物詩がこころを和ませてくれます。

山際に生えたアメリカセンダングサの花で,キタテハを一頭見かけました。翅の縁を見ると,鋭い切れ込みがグイグイッとばかりに続いています。これがこのチョウならではの姿。傾きかけた西日を受けて,懸命に蜜を吸っているようでした。キタテハは成虫で越冬します。休眠に入る前に栄養を蓄えようとしているのでしょう。


クリの葉の裏に,キタキチョウが四頭ぶら下がっていました。一頭が去った後,三頭がまだぶら下がっていました。類が類を呼ぶといいますが,仲間を識別する能力はやはり大したものです。生得的な力だとはいえ,ついつい自然のふしぎを感じてしまいました。


木に巻き付いて登っていくヤマノイモに,ムカゴが無数に付いていました。葉が黄色く色づき,ムカゴが熟しているのがよくわかります。あちこちにこの風景が見られるのは,前年までに地表に落下したムカゴが芽を出して繁茂したからなのです。

 

 


もちろん,大自然で見かけたムカゴは食材にしてありがたくいただくことにしています。 申し分のない味覚を届けてくれるでしょう。近頃では道の駅辺りだと,パックに入れて販売されています。それを買うより,自分で採集したものの方がずっとすてきな匂いを届けてくれます。

各地から雪の便りが届き始めました。わたしたちの地方で初雪を見るのはいつになるでしょうか。わたしの子ども時代は,勤労感謝の日の頃は大抵雪がちらついていたものです。

 


4齢幼虫から終齢幼虫へ

2014-11-06 | ルリタテハ

脱皮は大変化です。それは観察する者にとってはもちろん,幼虫のいのちにとってもそうなのです。

そのように書くと,いかにも幼虫の内面までわかっているような感じですが,皮を脱いで次のステップに移っていくその前後を観察していると,そうとしか思えません。簡単に脱皮するわけではありません。その助走段階が大したものなのですから。

“大したもの” の中身は,ただずっと静止に近い格好で一定の場所にいるだけです。“ずっと”と言い表しましたが,わたしが見た今回の4齢幼虫の場合は2日以上その場を動きませんでした。

 


ほんの時折,頭の向きを逆にして向こう側に向いたり,またこちら側に向き直ったりするだけなのです。からだはプクッと膨らんでいて,それはまるで水を満タンに入れたビニル袋を連想させます。見ると,はっきり「ははーん,脱皮近しだな」と納得できます。 

脱皮への準備態勢が整うと,脱皮。観察している限りでは,いつ始まるのか,それは予測しがたい気がします。とにかく,「アッ,始まった!」というふうなのです。

 

 
そんな2日間を経て脱皮を観察できると,感動的です。 いのちをめぐるドラマは観察者のこころを強く引き付けます。