自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサクの種子

2014-11-17 | マンサク

マンサクの実・種子について報告しましょう。早春,昆虫の力を借りて受粉に成功した子房が膨らんで,6月にはこんなにかたちの実ができてきました。


秋になってその実が熟し,中の種子がこぼれ落ちかけました。晴れた日,硬い実が縦方向に4裂して中から種がのぞきます。種は二つ入っています。たぶん,天気のよくない日は実が開かないのではないでしょうか。これも想像なのですが,大気の乾燥具合に応じて,うまく縦割れするのでしょう。


裂果の様子を観察しようとタイミングを待っていたのに,知らぬ間に種子がこぼれ落ちてしまっていて,ガッカリした経験が何度かあります。そうかといって,無理やり硬い実を手で開けようとしても大苦労します。採種するには,熟しているものを早めに採取して,袋に入れておけばやがて自然に実が開くのだとか。やはり,自然のなすがままがいいようです。

ところで,種子を集めようと思って木の下を探しても,落ちた種を見つけるのはまず無理です。というのは,庭に落ちた種子を偶然にも敷石の上で見つけたのですが,そこは木から2m離れたところでした。たぶん,種子は,落ちるというより軽く飛び散ったにちがいありません。その方が種子拡散に効果的な戦略です。ただ,実際その瞬間を見届けなくては推測の域を出ません。

それでわたしは,実が縦割れする直前のものにビニル袋を被せて観察しながらその様子を撮影し,種子を採取することにしました。

結果わかったのは,実が開き始めるとどんどん開いていくというより,じつにゆっくりとしたペースで開き終わるという点です。肝心の飛び散るかどうかは確認していません。このことから,たくさんの実が付いた木ではよく探していけば,開きかけた実のいろんな段階のものを見つけることができるように思われます。

採取した種子を来年の2月末には播種したいと思います。芽生えを観察したいのです。