自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キタキチョウの群飛にびっくり!

2013-10-24 | 昆虫

2週間ほど前の話です。

雨上がりの昼休みのこと。ウォーキングに出かけました。稲穂が色づいている田を心地よい風が流れていきます。道を歩いていると,びっくり。わたしの脇からキタキチョウがわっと飛び立ったのですから。たぶん,20頭はいたのではないでしょうか。そんなにたくさんのチョウが一所にいるのを見たのは初めてです。

それらが舞い上がって,辺りを飛び回りました。そうして散らばったのです。どうなるか,しばらく見ていました。中には,間もなくして戻って来たチョウもいました。

チョウがいたところを見ると,田の持ち主がなにかを燃やした跡が赤茶けて残っていました。状況から考えると,単に水分を補給しているというのでなく,焼け跡に残っているアンモニア分か,それとも塩分(ナトリウム)か,そんな成分を吸いに来ていたのでしょう。

そのときは,カメラを持ち合わせていなかったので,カメラを準備してもう一度出かけてみました。なにしろ,わたしにとってはとくべつな風景ですから。

先程のスゴサは感じませんでしたが,それでも6頭のキタキチョウが吸水中でした。 

ずっといるというわけではなく,飛び去ったり,また新たにやって来たりというふうでした。 

いずれにしろ,こんな風景を見ようとは思いもせず,これも巡り合いかなあと思った次第です。

 


クロアゲハの幼虫の天敵

2013-10-23 | クロアゲハ

クロアゲハの食樹は柑橘類です。我が家には,スダチ,レモン,キンカンの木が植わっていて,クロアゲハとアゲハが産卵に訪れます。それで,驚くほどに幼虫が出現することがあります。

今秋はクロアゲハの幼虫がほんとうにびっくりするほど生まれました。それを見つけて,数個体飼育箱に入れ飼っています。

さて,この幼虫を探しているときに,天敵がクロアゲハの幼虫を食べている場面を目撃しました。強力な武器で,獲物をがっちりつかみ放さないという感じでした。高いところだったので,惜しくも写真には撮れませんでした。その天敵とはカマキリです。その後はそういう場面を見かけたことはありません。

先日たまたまカマキリを見かけ,撮ったのが下の写真です。やはり,幼虫を探していたのではないでしょうか。

クロアゲハの幼虫は,4齢までは鳥の糞に似た色とかたちをしています。カマキリの目をときどきは欺けても,いつもそうそううまくいくとは考えられません。

アゲハの幼虫の動きの緩慢さと体色,カマキリの動きの俊敏さと体色,これら二つを比べると明らかにアゲハは劣勢に立っています。ある生きものにとって棲みよい場所では,別の生きものがそれを標的にしてチャンスを覗っているというのは自然の理です。襲う知恵・襲われない工夫,追う目・逃れる手,考えてみれば“生きとし生けるもの”共通のありのままのドラマです。 

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(更に更に)

2013-10-23 | ジャガイモ

10月20日(日)。芽生え第一号でいくつかの変化が見え始めました。観察中のストロン(A)だけでなく,それより上に位置する葉の付け根(B,C)からも脇芽らしいものが出てきました。。

Aのストロンから,どうやら枝分かれするらしいストロンが出てきました。母体のストロンとともに,下方向に向かうでしょう。 

Bから出た茎もストロンになるかもしれません。 

もしかすると,脇芽Cもストロンになって下方向に向かうかも。 

一枚目の写真を見ると,茎が倒れているのがわかります。ふつうなら直立するのですが,栽培の加減で倒れた状態になりました。そのために,A・B・Cの3箇所ともに地面近くに位置しています。これによって,B・C部分に脇芽が早めに出てきたのかもしれません。

環境に適応して,いろんなすがたを見せ始めます。そこが観察のなかなかおもしろいところ。 

 


カタバミに棲む極小クモ

2013-10-22 | 生物

ヤマトシジミを観察していると,必然的に食草カタバミに目が向きます。タカバミと付き合っている感じかもしれません。そんな中で,ずっとずっと気になっていることが一つありました。

それが最近になって,すこしだけわかりかけたように思います。それは葉の裏に付いたごく小さな,赤い球のことです。「なにかの卵にはちがいないが,いったいなにが産み付けたのか」 。その疑問が解けずにいたのです。

下写真の場面を観察できたのが,疑問氷解の動かぬ証拠といってもいいでしょうか。丸いものはどうやらクモのものらしいのです。脚が8本なのでクモであることはまちがいありません。クモの大きさは,この写真の横サイズ(1cm)から想像ができるでしょう。

卵はあちこちにばらばらにくっ付いています。白い殻のようなものがかたまってあります。クモの右に,黒いものが見えます。

この部分をトリミングして,確かめてみましょう。 

白い殻には突起がたくさん見えます。卵にはそれがありませんから,もしかすると,脱皮して脱ぎ捨てた殻なのかもしれません。それにしても集団で脱皮するとは,おもしろい習性の持ち主です。

そして,クモの右の黒いものを見ると,赤い突起のようなものと白い線状のものが見えます。これは,クモが誕生している瞬間なのかもしれません。それをクモが見守っているとも考えられます。

このクモはタカバミのあちこちに棲息しています。ヤマトシジミの幼虫や蛹のからだの上を歩くこともあります(下写真)。これだけいるのは,食べ物があるからでしょう。それなら,なにを食べているか,です。 世界中のクモは4万種。最近中央アメリカで発見された一例を除いて,すべてが肉食とされています。疑問が深まります。

こんなわけで興味は尽きません。しかし,名前がわからないのです。宿題になりそうです。 

 

[追記]後日わかったのですが,アカダニでした。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(更に)

2013-10-22 | ジャガイモ

10月19日(土)夜。本シリーズで前回記載したストロンのことで。一日経って,わずかながらはっきり伸びているのがわかります。右のストロンの長さは4mm。左右の先端ともに緑色をしています。葉のような,葉でないような感じです。色からは根でないと納得できます。よく見ると,ストロンから別のストロンが枝分かれして出てきています。

上写真をトリミングしてみましょう。 緑がくっきり見えます。

別の方向から見てみましょう。やはり葉のような感じです。ストロンが茎から枝分かれしていていて,その先に葉を付けていることが理解できます。下向きに茎が伸びる特別な理由があるわけで,なければ上向きに伸びるはず。その理由は先にイモをつくる,というものでしょう。

 

緑色の表面に生えた毛(突起)を見ると,成長した葉の毛(下写真)とのつながりなり共通性なりが見えてきます。 

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(もっともっともっと)

2013-10-21 | ジャガイモ

10月18日(金)。最高気温17.8℃。急に気温が下がってきました。10日前の9日(水)の最高気温が31.0℃だったので,寒暖の激しい変化が身に沁みます。そんな中,ジャガイモが順調に育っています。ジャガイモの原産地はアンデスといわれているだけに,この気候はあっているのかもしれません。芽生え第二号のストロンがはっきり伸びてきました。もうすぐ先が地表に届くでしょう。

ストロンを大きく写すと……。先がこころもち緑がかっています。

10月19日(土)。植木鉢を見ると,新しい芽生えがたくさん! 次から次へ,という感じです。

9月の初めから発芽が続いています。これだけバラつきがあるということは,はじめの実生は冷蔵庫作戦が功を奏したといえそうです。種子の一部が早々と寒さを感じとり,夏眠から覚めて「お先に!」といわんばかりに発芽したのでしょう。

結果,手許にあって来春の本格的実験で使う予定の種子はすべて目覚めていると考えられます。発芽時の様子を思い浮かべると,たのしみが増します。

ところで,この時期に発芽するジャガイモは,これからの気候では生き延びられそうにありません。霜に当たるだけで大きなダメージを受けます。どこまでいけるか,素人研究の目で観察を続けてみようと思っています。

 


ヤマトシジミ,幼虫から成虫へ(8)

2013-10-21 | ヤマトシジミ

10月14日(月)。

11時45分。ついに待っていた瞬間がやって来ました。頭から胸にかけて殻が真っ二つに裂け,成虫のからだが覗き始めました。まったく突然の出来事にように羽化が始まったのです。

11時45分。ゆっくりと,スムーズにからだを出しました。外気に触れた瞬間です。

11時45分。からだ全体が出てきました。大きな腹と縮んだ翅とを比較すると,翅が極端に小さくなって収納されている合理的な理屈が理解できます。個体は歩いて移動します。

11時46分。上を向いて,翅が伸びるのを静かに待ちます。

11時52分。翅のたいせつな骨組みである翅脈に,体液が注ぎ込まれていきます。順調に翅が拡がります。

これで,無事に成虫一頭が誕生したのです。卵から生まれ出たごく小さな幼虫が,ここまで無事に育ちました。ホッ,です。改めて,宿ったいのちの流れを思うと,そのスゴサが垣間見えます。このいのちはこれからも脈々と受け継がれていくことでしょう。

成長を記録する作業には気が抜けない緊張感が伴ないますが,むずかし過ぎるわけでもありません。適度にたのしみ,程ほどに緊張するからこそ,うまくいけば充実感が味わえます。今回は前回と同じ失敗を繰り返さずにすみました。やれやれです。

 


ヤマトシジミ,幼虫から成虫へ(7)

2013-10-20 | ヤマトシジミ

10月14日(月)。 

1時07分。腹部の黒・黄のコントラストが鮮やかです。空気の層がまだ形成されていないので,羽化は夜明け後になりそう。

6時16分。夜が明けました。しかし,まだまだといったところです。

6時37分。左側から日の光が差してきました。

9時11分。2時間も経つと空気の層ができ,からだが殻から離れる準備が進んでいる様子がわかります。

11時40分。白さは空気層ができた結果できたものです。ぜんたいが白っぽいということは,羽化がいつ始まってもおかしくない状態を示しています。頭部から胸部にわたって見える直線は,羽化時の裂け目。いよいよ目が離せません。

  

 


コニシキソウとアリとアブラムシと

2013-10-20 | 生物

コニシキソウの花とアリとの共生関係については,これまでに書いたことがあります。今回は,それにアブラムシを入れて書こうと思います。

秋が進んでいくにつれて,コニシキソウの勢いが失われつつあります。そんななか,アリが慌しく蜜腺を求めて花の間を回っています。よく見ると,そこにアブラムシがいることに気づきます。小さなもの,翅の生えたものも混ざっています。

アブラムシはコニシキソウのからだから汁を吸いとっているはず。アリとアブラムシとの関係はよく知られているので,きっと共生関係が見られるだろうと思ってじっと見ていると,そのとおりなのです。

下写真の左側のアリの顎先に,アブラムシの尻先が見えます。黒くって円いものが中心に当たります。その部分をアリがとても気にしている様子です。 

別の花を見ると,アブラムシが二匹付いていました。その尻先を,アリが狙っているような姿勢です。

しばらく経ってやって来たアリが,その尻を舐めています。甘い汁が出ていたのでしょうか。 

時間が経ってアブラムシを見ると,移動して頭を地面方向に向けていました。そこにアリが訪れ,やっぱり尻先に関心を示しました。 

アブラムシから排泄される甘い汁が丸く見えたら申し分ないのですが,そこまでは確認できませんでした。かなり根気よく観察を続けなくては撮影のチャンスは巡って来ないようです。

アブラムシがアリに恩恵を与えているということは,アブラムシにとっても益になることがある証拠。小さな甲虫の仲間やクモが歩いているのを見かけることがあります。しかし,捕食されているのを見たことはありません。いずれにしても天敵がいるわけです。

つながりがくっきり見える共存・共生の関係は,わたしのような素人観察者にとってはすっきり合点がゆきます。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(もっともっと)

2013-10-19 | ジャガイモ

10月12日(土)。植木鉢の実生苗はずいぶん増えました。 

ポット苗のストロンですが,伸び方は遅々としています。下写真は芽生え第二号の様子です。やはり,地上部の成長ぶりがゆっくりしているので,養分がその方に回らないということでしょう。それでも,数本の苗で,ストロンが出ているのが確認できます(写真中の矢印)。おもしろいことに,ストロンは茎の一部なのでうっすらと緑色をしているのがわかります。トリミングしているので大きく見えますが,茎の太さは0.7mmです。

 

10月16日(水)。 ストロンの伸びは相変わらずといったところ。一本一本はまだ短いのですが,いたって丈夫なようです。太さが感じられます。茎の長さは10cm。芽生え第一号の苗の様子は下写真のとおりです。

 

根元近くの双葉傍のストロンを見ると……。

他のストロンを見てみましょう。どれも,双葉の付け根部分から出ています。

 

芽生え第二号は……。双葉が枯れてなくなった茎からも,それがあったところから伸びています。ストロンはあくまで茎。その証拠に,先がちゃんと緑色をしています。

 

霜が降りるまでにはまだ日があります。ストロンが地中に入るのを見届けたいのですが……。