自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ベニシジミの初見

2015-04-15 | ベニシジミ

4月15日(水)。畑・果樹園の草がずいぶん伸びてきました。近頃続く雨模様で,草に勢いがついている感じです。それで,今日は草払機を使って草を刈りました。これが今春初めての草刈作業です。

果樹園にはタンポポがたくさん咲いていて,昆虫がひっきりなしに訪れていました。目立ったのがアシブトハナアブです。口器をぐっと花に差し入れて蜜を吸い上げていました。


りっぱな剛毛の持ち主, セスジハリバエです。腹部には,黒い太帯が縦方向に走っています。吸蜜行動に夢中になっているので,わたしにはちっとも気づいていません。それほど上等の味なのでしょう。


しばらくして見かけたのがベニシジミ。初見です。目の前に飛んで来た瞬間,どきっ! 途端,わくわくしてきました。

2,3m前方にある草に降り立ちました。大急ぎで背から機械を下ろして,コンデジを準備。「初見は記念日。どうか舞い上がらないで」と祈る気持ちで,レンズを向けました。数枚撮ったうちの一枚が下の写真です。

 
なんとも鮮やかな赤色です。初々しい春の女神にさえ見えてきます。ベニシジミの名にふさわしい色彩だなあと,改めて思いました。

こんな瞬間を味わうと,あとの作業がなんとはかどることか。草を刈り終わった畑地・果樹園はさっぱりしました。自然と付き合っていると,苦労は多いのですが,気持ちよさも十分味わえます。

 


ブロッコリーと昆虫

2015-04-15 | 昆虫と花

冬のこと。畑のブロッコリーを収穫。その後,ヒヨが飛来して葉をことごとく食べ尽くしました。「食べ物が少ないから,マアしかたないか」と放置していたら,葉が少し伸びてきました。今度は,「春先に出てくる蕾を収穫したい」と思い,ネットで覆って食害から守ることにしました。 

春になって,結構,蕾を収穫して味覚をたのしむことができました。

そのうちに花が咲く時期を迎えました。ネットをそのままにしていると,中に昆虫たちがわんさと増えていることに気づきました。ヒラタアブやハナバチの類です。蜜や花粉を食べに来たのです。


中には,ナガメカメムシもいます。


モンシロチョウも。ヒゲナガハナバチも。


隙間を見つけてうまく入ったものの,出ることが叶わなくなり,そこが居場所になってしまいました。

蕾の収穫に行くと,昆虫たちがワッと飛び上がります。もちろん,虫たちはネットから外に出ることはできません。   


ざっと見ていくうちに,おもしろい風景が目に入りました。

ナガメカメムシの交尾です。このカメムシはたくさんやって来ています。吸汁のためです。そのうちにペアが生まれ,交尾に至ります。ネット上でも観察できます。とても敏感で,わたしが近づくと,途端に大慌て。からだの大きなメスがどんどん前に歩いて逃げます。オスは引きづられるようして後退するしかありません。


アリが,同じなかまの死体を運んでいました。死体は2個体がつながっているので,びっくり。この行動をどう解釈したらいいのでしょうか。

『昆虫はすごい』(丸山宗利著/光文社新書)には,同種間の戦いをはじめとして,アリの様々な狩りの様相が紹介されています。仰天する話が満載です。では,わたしが見た,死体を運ぶ個体はいったいどうだったか,です。

 
アリの,この姿は,ネットがなかったら観察できなかったでしょう。思いがけない目撃になりました。