自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ベニシジミの産付卵,第一号

2018-04-15 | ベニシジミ

ミュージアムの大人向け講座で「春の自然観察」をしていたら,ベニシジミが飛来。スイバの生えた辺りに降りて,そこから離れようとしません。接写撮影のテクニックについて話しながら至近距離にカメラを持って行っても,飛び去る気配がまったくなし。

「ははーん,これは産卵するつもりだな」と予感。しばらく皆さんと見守っていたら,案の定スイバの葉に移動したのです。やっぱり! 

そこでしばらく休んだ後,茎に移動して腹端を接触させて,どうやら産卵した様子。腹部が大きく曲がったのが見えました。去った後を見ると,そのとおり卵がありました。「これだ,これだ。懐かしい!」。そんな気持ちになりました。今季第一号の目撃です。

 

超近接撮影をしました。

 

さらにおもしろいことに,根元にある枯れた木の葉で見つかりました。スイバの近くなので産み付けたのか,間違って産み付けたのか,それはわかりません。

 

それなら他にも産み付けているのではないかと思い,探しました。すると,次々に見つかったのです。みんなで6個も! お陰さまですてきな講座になりました。

さあベニシジミの季節がやって来ました。

 


ギフチョウ,今(その5)

2018-04-15 | 昆虫

ギフチョウが孵化する時期を迎えました。どっさり卵を産むので,見逃すことはありません。殻を開け始めると,そこも,あそこもといったふうなのです。撮影にはぴったりの被写体といえます。

からだが出る程の穴を開け終わると,しばらく休みます。出られるかどうか,推し量っているように見えます。中の黒い線はからだを覆う毛です。きれいに束状になっています。 

 

出始めると,ぐいぐい出て来ます。大顎が大きく開きました。全力で出ようとするのでしょう。 

 

ときにはからだをひねります。口の横に,感覚をつかさどるアンテナが見えています。

 

からだを大きく伸ばし,なんとか早く出ようとします。

 

あとわずかで着地です。 

 

出てしまうと,それまで曲がっていた毛が弧を描いて立ちかけます。 

 

いのちはすごい! 

 


ハコベの昆虫たち(11)

2018-04-14 | 昆虫と花

ツヤヒラタアブが花粉と蜜を舐めていました。腹部からはオスと判別できます。

 

この群落にはアブラムシもたくさんいます。餌のあるところにはそれを嗅ぎ付けて訪れます。その能力は種族維持にとってたいせつなものです。

それでよくよく観察を続けると,産卵行動を目撃できることになります。その動きを見ていると,ヒラタアブの気持ちが見えてくる気持ちがします。

ときどき確認しているだけで,このシリーズは11回を数えました。これからわんさ花が咲いて昆虫が出現するので,本シリーズはこれで締めくくりとします。

 

 


サクラの花と昆虫たち(5)

2018-04-14 | 昆虫と花

ヤマザクラの花は飾り気が感じられず,花としての主張が強すぎず,純真な姿に見えます。純白種はなおのこと,そうした雰囲気を漂わせているように思われます。 ソメイヨシノより好きだという方がありますが,その気持ちがわかりそう。わたしも好きです。

 

名は定かではありませんが,花蜜を求めて訪れる昆虫が絶えません。

 

ハナバチが訪れていました。真っ白な花弁に黒いからだは大いに目立ちます。 

 

立派な顎の持ち主です。 

 

こんなふうに蕊(しべ)に覆い被さると,サクラは大満足でしょう。作戦が大当たりしたのですから。

 

ヤマザクラは野生種です。山中にぽっ,ぽっと抑制した感じの咲き方をします。その分,じっくり味わえる花だと思います。その咲き方が昆虫をうまく引き付けるのでしょう。

 


タンポポで吸蜜,キタキチョウ

2018-04-14 | 昆虫と花

何げなくタンポポの花を見ていると,タイミングのよいことにキタキチョウがやって来ました。黄色い花に黄色の体色が付け加わって,一層鮮やかな感じです。「よしよし」と思いながら近寄って接写を試みました。 

 

前方の花に口吻が伸びています。

 

口吻を盛んに動かして,蜜を漁っている感じです。

 

魚が釣針にかかり,しなやかに曲がった竿のよう。口吻の中を蜜が通る様子がまるで見えて来そう。

 

たまたましばらくこの花にいたので撮影できました。このタンポポにも感謝,です。

 


ハコベの昆虫たち(10)

2018-04-13 | 昆虫と花

花よりずっと大きなハエがやって来ました。ハナバエの一種と思われます。長い脚は,起伏に富んだ着地面にうまく合っているみたいです。

 

こうして,隣りの花に歩いて渡って行きます。

 

 

もっと大きなハエが登場しました。 ケブカクロバエでしょうか。花には不釣り合いな大きさに見えます。花同士が支え合って咲いている箇所なので,倒れずに済みました。

 

 

花の咲くところには,昆虫が必ず訪れます。花のアピールと昆虫の探索能力とが相まって,ギブ・アンド・テイクの関係が見事に成り立っているのです。そう思いながら,花を見ることがとてもたいせつです。 

 


モンシロチョウ,孵化(続々)

2018-04-13 | モンシロチョウ

孵化後,幼虫は必ず殻を食べます。その本能はチョウの種によって異なります。 食べない種もある中,モンシロチョウは食べるということです。ただ,食べ尽くすという例は多くはないようです。

 

うんと近寄れば,口元も側単眼もはっきり確認できます。口が動くのが見えると,いのちの凄さが伝わって来る気持ちになります。 

 

からだを起こすようにして,殻の上部に口を向けます。毛の先には水滴状の液体が付着しています。生まれた後によく見られるものです。

 

食べることに専念している間は,とにかく貪り食うという感じです。 

 

上から下に向かって食べていきます。卵の殻と,からだの大きさとを比べると,たったの今までこのカプセルに入っていたとは考え難い大きさに感じられます。

 

いのちにはふしぎがいっぱい詰まっています。

 


サクラの花と昆虫たち(4)

2018-04-12 | 昆虫と花

公園で咲くヤマザクラの花を見ていて,「ほ,ほーっ!」と思ったのが昆虫の多さのこと。高い枝に咲いている花なので,写真はほとんど撮れませんでしたが,とにかくびっくり。ビロウドツリアブまでが吸蜜に来ていたのですから。その写真が撮れなかったのは残念。

 

この分だと,時間さえあればほんとうにいろんな昆虫を確認できることになるはず。少ない写真からいくつかをご紹介します。

前回,オドリバエかもしれないとしたハエがいちばん目立ちました。小さいのに目立つとは? 一つの花に多い例で4匹もいました。上写真でも雰囲気がお伝えできるでしょう。

 

 

頭上高く咲く花に,セイヨウミツバチがやって来ていました。背伸びをするようにしてなんとか撮りました。花粉を食べている様子がなんとかキャッチできて,ほっ!

 

 

別の花に,別の個体が飛来。

 

 

目指した花に着地。その花も高いところに位置します。

 

 

改めてヤマザクラの姿の美しさを感じました。清楚だなあという印象です。それが若葉と同居した格好で咲くのです。そして昆虫たちを上手に惹きつけます。魅力的な木です。  

 


ホトケノザとキタキチョウと

2018-04-12 | 昆虫と花

花を観察中にキタキチョウが飛来。そのままとまったところを,近づきながら撮影したものです。口吻が曲線を描いて花に届いています。吻先を入れようとしているところです。

 

こうなると,もう吻先が蜜源に届いているでしょう。翅は相当に傷んでいます。冬を越して今に至るまでに,いろんな事態に遭遇したようです。お腹が空いているのでしょう,ごちそうを口にしてハッピーそうです。 

 

ホトケノザの花とキタキチョウの組み合わせはよく見られる程でもありませんが,目撃例としてはあります。めずらしいといえば,そうなのかもしれません。キタキチョウの出現が少ない時期だと,ホトケノザの花が咲いていても見かけにくいのです。この日はラッキーでした。

 


モンシロチョウ,孵化(続)

2018-04-11 | モンシロチョウ

殻から出終わった幼虫はUターンして殻に向かいます。

 

殻に着くと,それを貪るようにして食べます。 

 

食べるという本能がはたらく瞬間です。 

 

とにかく懸命に食べます。

 

別の個体は,孵化後しばらくからだを休めていました。 その後ゆっくり殻に向かいました。

 

習性のすごさとふしぎを,ついつい感じてしまいます。成虫になるまでの生存率はたったの2%。この幼虫は無事に育つでしょうか。