楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
     ・日光奥州街道ひとり歩る記
     ・おくのほそ道を歩く

菩提樹

2004年10月03日 09時29分00秒 | つれづれなるままに考えること
(菩提樹)
歌は音痴なのに、聴くのが好きな人は多い。
ボクもその中の一人である。
ヘボの横好きという。

バリトン歌手で世界的に有名なゲルハルト・ヒッシュが来日した。
40年も前の学生時代のことである。

ボクが通っていたミッションスクールは、
どういう訳かドイツ人の教師が多かった。
学長も、中学・高校の校長もドイツ人であった。
経営はバチカンの賽銭から、一部補われていると
噂に聞いたことがあるが、何故かドイツ人が多かった。

そんな関係で、ゲルハルト・ヒッシュが来日すると、
学校に招かれ、三階まである大講堂で歌を披露した。
それが「菩提樹」。

浪々とドイツ語で歌った。勿論マイクなどなしで。
その声に魅せられ一度に「菩提樹」が好きになった。

ボクは第二外国語では、スペイン語を履修していたが、
サッカー部に所属(ボクもサッカー部)しており、
第二外国語にドイツ語を学んでいた友人に、
「菩提樹」をドイツ語で教えろと迫って困らせた記憶がある。
それでも、何処でどうしたかは知らないが、
原文で「菩提樹」を音符付きで仕入れてきて、
ボクに教えてくれた。

そのとき、友人がドイツ語なんて、
「おはよう」「ありがとう」「こんばんは」
「あなたを愛しています」
これしか知らないと答えたのを覚えている。

そのとき覚えたドイツ語
「ダンケ シェーン」
「グーテン モルゲン」
「グーテン ナハト」
「イッヒ リーベ ディッヒ」は、
今でも忘れられない。

そして「菩提樹」の
「Der Lindenbaum」

歌詞はドイツ語で教えてもらったが、
学校を卒業してから、一度も歌っていないので、
もう殆どを忘れてしまった。
いつの日にか、また覚えることもあるだろう。

菩提樹では面白いエピソードがある。
ドイツに行けば、きっとガイドさんが笑い話で
聞かせてくれるに違いない。

昭和天皇は知る人ぞ知る植物学者である。
その天皇がドイツへ行かれて、菩提樹を指差して

「あれは何という木?」とお尋ねになった。
「菩提樹でございます」御付の人はドイツ人の
ガイドに確認して答えた。すると天皇は
「菩提樹は解かっています。何という菩提樹?」
天皇も意地が悪い。御付の人もドイツ人ガイドも
天皇ほどの植物学者ではない。お付の人は、
ドイツ人ガイドの困った顔を見て、機転を利かせて答えた。

「はい、西洋菩提樹というそうでございます」

ボクは知らない。菩提樹に何種類もあるかどうかを。
しかしこの話を聞くと、落語や漫才に良くある、
あるいはO’Henryの短編小説のような、
大どんでん返しを思い出させる。

人生には、何時何処にこんな予想も付かない
大どんでん返しがあるか判らないものである。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Potora!  NTTグループ運営!