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(芭蕉像、看板に奥の細道最北の地とある)
(象潟(きさがた)
鶴岡から船で坂田(現酒田市)へ七里、
酒田は、米、大豆、紅花などを出荷して、
塩、木綿、木材などを入荷する。
四~11月までの間に2,500艘の船が出入した港と言う。
大商業地であったらしく、
芭蕉も歓待されたのであろう、
滞在途中、酒田から象潟へ向かい、
九十九島、八十八潟を眺めて、
四日後には酒田に戻り、
酒田には実質九日間も逗留している。
その象潟へボクも尋ねた。
芭蕉の頃は、仙台の松島に似て、
海に点々と浮ぶ美しい小島であったに違いない、
九十九島、八十八潟と言われる海に浮ぶ島々は、
今は稲穂がたれる田圃の中の小山に過ぎない。
(九十九島の一部)
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しかし芭蕉は、象潟で船に乗り象潟の島々を眺め、
蚶満寺(かんまんじ)を訪ねている。
その蚶満寺で船を止め上陸し、
西行法師が詠んだ桜の老木を見て、
蚶満寺の方丈に座り簾を上げて風景を眺めている。
(奥の細道蚶満寺)
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(南に鳥海山が聳え、西にはうやむやの関が道を塞ぎ、
東には堤が築かれて、秋田への道が続いている。
北には海があり、その面影は、
点々と島がある松島に似ているようであるが、
似て非なるもののようである。)
(ボクの勝手な現代語訳)
と感想を述べている。
「奥の細道」の原文では、
松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。
寂しさに悲しみをくわえて、
地勢魂をなやますに似たり。
(松島は笑顔をたたえた様であるが、
象潟の有様は、憂いに沈む美人の風情である。)
(岩波文庫「おくのほそ道」注記より)
「象潟や雨に西施がねぶの花」
「汐越や鶴はぎぬれて海涼し」
と詠んでいる。
(西施像)
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(ねぶの木)
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(ここで「西施」と「ねぶの花」が解らないが、
次回、調べた範囲でその説明をしたい。)
さて、蚶満寺には松並木に囲まれたひなびた参道があり、
左手は一面の緑の稲穂の中に象潟の島々がみえ、
参道右手には芭蕉像と句碑、
造ったばかりに感じられる西施像がある。
(ひなびた長い参道)
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(左手の島々)
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(芭蕉像)
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ながい参道の突き当たりに、
古色蒼然とした佇まいの山門があり、
その先に六地蔵が出迎えて、
赤い帽子と前掛けをつけて建っている。
本堂へはうっそうとした木立の中を抜けていかなければならない。
(古色蒼然とした山門)
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(林がかぶさるような本堂への道)
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(六地蔵)
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(鐘楼前の芭蕉の木)
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(本堂)
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(西行の歌桜)
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すぐ目の前に鐘楼があり、手前に芭蕉の木が目に入る。
芭蕉があるということは、
東北とは言え、このあたりは温暖なのであろう。
左手に本堂が見える。
本堂左横を潜り抜けると、裏庭に通じており、
西行が歌を詠んだ桜の木(何代目かの若木)と歌碑が左手にあり、
・きさかたの桜は波にうずもれて
花の上漕ぐ海士(あま)のつり舟
とある。
その手前に芭蕉が船から降りた「舟つなぎ石」があり、
イヌクスの大木が枝を広げ、
右手は盛り上がった小山があり芭蕉句碑が置かれている。
(芭蕉句碑)
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芭蕉句碑には、
・象潟の雨に西施がねぶの里
と初案の句が刻まれている。
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(舟つなぎ石)
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(イヌクスの木)