(カメオ)
(ナポリを観ずして「結構」と言うなかれ)
ナポリと名前を聞いてすぐ思い出すのが、日本製パスタのナポリタン。
ナポリについて少し知識ある人は、ピザのマルゲリータ。
このマルゲリータはボクたち夫婦の大好物である。
日本でイタリアンレストランに入ると、
1) まず野菜サラダ、これは苦味が少しあるルッコラが入っていないといけない。
2) 次がピザのマルゲリータ、モッツアレチーズとトマトとバジルが
程よく混ざっているのが美味しい。
3) つぎが茄子とベーコンのトマトソースのパスタ、すこしピリ辛が良い。
4) 最後にエスプレッソのコーヒー、砂糖とミルクを入れる。
コーヒーを除き、一人前を二人でシェアするのが、
われわれにはほど良い量である。
十年ほど前にイタリア北部を訪ねたときは、ガイドさんに聞いたら、
ソフトドリンク、次にパスタ、サラダ、これは前菜で、メインは肉か魚、
デザートには甘~いケーキにコーヒーが普通と言われ、その通りに注文したら
一人前分余ってしまった苦い経験がある。
挙句の果てにレストランのオーナーシェフが日本人びいきで、
頼んでもいないのにアルコールは無料にしてくれて飲み放題。
ウエイターがワインをがんがん注いでくる。
これには参った。
(ピッツア マルゲリータ)
(野菜サラダ)
(デザートのケーキ)
外国で困るのは食事の量の問題で、外国人、特に白人系の国では、
およそ日本人の三倍くらいの量を食べるようだ。
何回もその量で困った経験がある。カナダ、アメリカ、オーストラリア、
ここイタリアでも体験したが、おおむね一人前分余ってしまう。
ホテルへ帰って、食べるわけでもないのに、
余り物を持ち帰る英語を使いたいばっかりに、
格好つけて、ドギイバッグ(doggie bag)に入れてもらった。
英語圏の人たちも、食べ残したものを持ち帰るのに、
doggie bag=「家に置いてきた犬に挙げるから包んで頂戴」
とはよく言ったものだ。
日本人だけじゃなく、
西欧人もやっぱり見栄っ張りなんだと、胸を撫で下ろす。
今になっても「食べ物の量はどの位?ボクには多すぎるのではないか」という
英語が思い当たらない。
信州へ旅した時、蕎麦屋さんに入って、
「ここの蕎麦の大盛りはどの位の量ですか?」
店員さんが答えて言う
「大盛りは1キロあります」
なぜこんなことを聞いたかというと、メニュウに(中盛り)があったからだ。
このように答えてくれれば、どんなにそば好きのボクでも
(大盛り)を食べきれないことぐらい解る。
こんな会話ができる英語を是非教えて欲しいものである。
(どなたか適切な英語を教えていただけませんでしょうか?)
その後、外資系の会社の再就職したのを機に、
この難問を解決しようとたくらんだが、
だれ一人ボクを納得させてくれる英語には、至らなかった。
とどのつまり、「一人前頼んで、食べ残して来ればよいじゃないですか。」で、
終わってしまった。
(ポンペイから見たベスピオ山)
「ナポリを観ずに死ぬな!」
「ナポリを見ないで結構と言うなかれ!」で代表されるナポリは、
ベスビオ山を含む海岸線の市街地の美しさを言うのであろうが、
ボクには特に感慨はなかった。
ナポリには二回目の訪問だったからであろうか。
どちらかと言うとスペインのコスタ・デル・ソルの白い街ミハスや
イタリアのアルベロベッロ、日光、トルコのカッパドキアのほうが
はるかに感動した。
それより感動するものがナポリにはある。
それはベスビオ山の噴火によって埋まったポンペイの街である。
(ポンペイの遺跡)