台風が直撃コースに来ると花農家は対策に追われる。
この時期はまだそれほどの棟数では無いがそれでもかなりの枚数の寒冷紗をたたんで防風ネットを張る。
そんななか、85歳のおばあさんの葬儀。
この村は大変な長寿村、例にもれず最後まで畑で働き続けた婆さんだった。
葬儀の時が忙しい時期でなければ、「良い仕舞だった」と言われ、忙しい時期だと「最後まで騒がせた」と言われる。それが農村の宿命だ。
温厚な人柄を反映してか、まだユリの始まらない時期、日も長いし、一番余裕のある時期だった。
しかも、台風まで遠ざけてしまった。
全くの無風、しかも熱くならずに小雨の一日。精進のいい人だったんだろうね。