おらぁ パレットだす。
生まれたのは遥か遠い国オランダだす。(たぶん)
職人さんが運河沿いのポプラの木を切って作ってくれただす。(たぶん)
だから、真っ直ぐな性格なんだす。
最初にもらった仕事が、ユリの球根を背負って日本に行くことだったす。
チューリップの球根を背負った仲間は空中を飛行機ってもので飛んで日本に行ったそうだが、おらは船だ。
地中海、スエズ運河、インド洋、、、熱い所を通ったみたいだがおらはずぅっと冷蔵コンテナで凍っていたからわかんねぇ。
日本に来てからも凍っていたけど、今度は切り花農家のところに行った。
そこでも働き者のおらは重宝がられた。
行ったり来たりで津南産の球根を背負ったり赤塚産の球根を背負ったり、、とにかく働いた。
今の親父の家に来てからも夏は芽伸ばしの球根を背負って冷蔵庫に入ったり畑まで行ったり。
昨日は泥だらけのウルイの株を背負った。こいつは重かった。
今朝、親父がおらを見つめて、、、、「そろそろご苦労さんだな」 と言った。
仲間と一緒に積まれて連れてこられたのは、、、ごみ丸君の家だ。
ここにはおらたちと同じように働き詰めに働いた仲間がいっぱい順番を待っていた。
そう、葬式を出してもらえるのだす。
一生懸命働いたからちゃんと葬式を出してもらえるのだす。
野積みにされて朽ち果てていくのは、、、おらぁイヤだす。
ここで粉砕されて、、、埋め立てられるのか、焼却されるのか?
どうせなら火葬がいいだす。
燃えて煙になって空に昇るだす。
日本の空は、生まれ故郷のオランダの空と続いているだす。
クリックすると花農家仲間がたくさん。