WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

陸前高田の三陸花火大会

2020年12月13日 | 今日の一枚(C-D)
◎今日の一枚 446◎
Chick Corea & Gary Burton
In Concert
 もう2か月程前になるが、10月31日に隣町の陸前高田市で行われた三陸花火大会というイベントに行ってきた。陸前高田市は、被災地としてメディアへの露出も多く、地域をあげて計画的な復興が行われている地域だ。今回のイベントもその一環なのであろう。来年からは三陸花火競技大会を行うということで、今回のイベントはそのプレ大会という位置付けのようだ。
 それにしても凄かった。これまで多くの花火大会を見てきたが、テレビで見る大曲や長岡の花火を彷彿とさせる、これが現代の花火なのか、と思わせるような代物だった。私たちは一人2500円のB席で会場の後方からの見物だった。10月末の夜は凍えるほど寒かったが、その迫力と美しさはそれを忘れさせるほどのものだった。来年から行われるという競技大会も是非とも見たいと考えている。
 今日の一枚は、チック・コリアとゲイリー・バートンの『イン・コンサート』、1979年のチューリッヒでのライブ録音盤である。非常に美しく、テクニカルで、ライブ盤ならではの熱気や駆け引きの様子がよく伝わってくる一枚である。以前取り上げた1972年録音の『クリスタル・サイレンス』(→こちら)と同じデュオのアルバムで、何曲か同じ曲も演奏されているが、私が『イン・コンサート』の方を先に聴いていたためか、後から『クリスタル・サイレンス』を聴いたときは、美しいれけどちょっと物足りないと感じたものだった。
 学生時代にはチック・コリアをよく聴いたものだ。ハービー・ハンコックやキース・ジャレットより圧倒的にチックをよく聴いた。あの大ヒットしたリターン・トゥ・フォーエバーの影響などではない。純粋にチックのピアノが好きだったのだ。ところが、いつしかチックを聴かなくなった。なぜかはよくわからない。今日この『イン・コンサート』をかけたのも10年ぶり以上のことだと思う。大学生の頃は数十枚程度だったレコードも、いつしか増殖して、LP・CDは数えるのが億劫なほどになった。棚の中には同じように何年も聴いていない作品がたくさんあるはずだ。たまには、そういった作品を探してみるのも一つの楽しみかもしれない。『イン・コンサート』の美しい響きを聴きながら、1980年代前半の、トイレ共同四畳半風呂なしの、三軒茶屋のアパートの情景を思い出した。


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