WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ウルトラセブン最終回(後編)

2022年03月06日 | 今日の一枚(C-D)
◎今日の一枚 569◎
Dinu Lipatti
Robert Schumann Piano Concertp,OP54

 ウルトラセブン最終回(後編)がNHK-BSPで放映された。
 ダンがアンヌにウルトラセブンであることを告白する場面は,今見てもなかなか印象深いものであった。突然、画面が影絵になり,シューマンの協奏曲が流れるシーンは,子ども番組にはふさわしくないと思えるほどにシリアスだった。 
(ダン)「アンヌ..僕は..僕はね..人間じゃ無いんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!!」
(ダン)「ビックリしただろ?」 
(アンヌ)「..ううん。人間であろうと宇宙人であろうとダンはダンで変わり無いじゃないの。例えウルトラセブンでも」
(ダン)「有難うアンヌ」
(ダン)「今話した通り、僕はM78星雲に帰らなければならないんだ!西の空に明けの明星が輝く頃1つの光が宇宙へ飛んでいく。それが僕なんだよ」
(ダン)「さよならアンヌ!」
(アンヌ)「待って!ダン!行かないで!!」
(ダン)「アマギ隊員がピンチなんだよ!」 
 「西の空に明けの明星が輝く頃」については、webをみると様々な解釈や憶測があるようだ。《明けの明星》は東の空に見えるものだからだ。何かの言い間違えであるとする説や《西の空》は《輝く頃1つの光が宇宙へ飛んでいく》にかかるとする説、脚本は違う言葉だったが撮影編集の過程でそうなったのだとする説、今となってはわからない。
 この言葉は確かに印象的なものだったが、私にとってはその後のアンヌ隊員の涙が深く心を打つシーンだった。恐らくは当時の少年たちも同じだったのではなかろうか、と勝手に思っている。

 今日の一枚は、カラヤン,フィルハーモニア管弦楽団&ディヌ・リパッティの1958年録音作『シューマンピアノ協奏曲イ短調作品54』である。アップル・ミュージックで聴いている。ウルトラセブン最終回のあの名シーンで流れるピアノである。クラシック音楽には詳しくない。演奏家もそんなに知らない。カラヤンはもちろん名前は知っておりいくつか作品を聴いたことはあるが、ディヌ・リパッティという人は全く知らなかった。ウルトラセブンとのかかわりでクラシック音楽を知り、ピアニストを知る。そんな聴き方も赦されるだろう。


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