HIROZOU

おっさんの夜明け

ユダヤの受難

2024-07-14 07:58:23 | 

    

せっかくの連休だと言うのに・・雨が降っとる

図書館の新刊本コーナーから借りて来た・・僕が読者第一号だ

この本400ページ以上あって定価が4000円

自分の金だと絶対買わない

ヒットラーが政権を取っていたナチスドイツでは1938年~9年頃からユダヤ人迫害が始まる

民族浄化が叫ばれユダヤ人は迫害を通り越してナチス占領地からの絶滅させる政策に変わる

ここにアウシュビッツなどの強制収容所が生まれる所以だ

子供から年寄りまでユダヤ人と言うだけで理不尽な強制収容が行われるんだけれども

そんな中でも一部のユダヤ人がナチスの迫害を逃れて自由の国アメリカに移民するんだ

一部の人・・・どんな人?

やはり第一にお金持ち

(これはもう当たり前やんか!)

次はアメリカにお金持ちの知り合いがいる事

(また金やんか!)

運のいい人

(あくまでアメリカにお金持ちの身元引受人がいる事)

(結局金かい!)

その頃のアメリカにも移民に対しての言い分がある

あくまで移民者に対して決してアメリカ人の税金で彼らの生活を面倒見ないと言う事だ

移民者に対して自分の資金で生活を貫徹しろと言う事だね

どこかの国のように来たら生活保護を受けられると言う事は絶対に無いんだ

第二次世界大戦が本格的になりアメリカに移民してきたユダヤ人の中にも兵役年齢に達する若者もいて

彼らは軍隊の入隊を希望する

しかし彼らはアメリカの国籍も持って無くて尚且つドイツ生まれだとスパイとの区別もつかない

彼らにしたらドイツ占領地に残してきた家族の心配やユダヤ人としての誇り

ナチス撲滅を願ってなんとか軍隊に入隊するんだけれど

彼らに与えられた仕事は医療や兵站と言ったあくまで後方勤務で前線に出る機会は無い

しかし徐々に彼らの外国語能力が戦場で求められて前線で捕らえられた捕虜の尋問に活かされる事になる

ユダヤ人と言うのは元来、知能指数も高くて彼らの行動は戦場で評価も高くなる

この本は彼らの勇敢さやユダヤ人としての理不尽な扱われ方

戦争末期からドイツ降伏後の強制収容所の惨状、家族の消息、などが綴られている

ユダヤ人て何故にこれ程にも嫌われたんだろう

今、イスラエルのガザでの行為なんかマスコミはパレスチナ寄りだけれど

人質とってる方が文句垂れるなんてありえんやろ!

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暑い夏

2024-07-06 09:28:29 | 

           

小さい頃からミリタリーマニアで愛読書はちょっと値段の張った月刊誌で「」だった

この本は図書館にあったので借りてみたけれど

B29と言えば日本を灰にして日本の敗戦を決定させたアメリカ爆撃機だ

この飛行機をかっこいいとか言うと不謹慎だと言われるだろう

今から79年前の8月6日この飛行機が広島に爆弾を落とした原子爆弾だ

当時14歳で中学2年生だった父は原爆が落ちた時間広島市内の汽車の中にいた

市内の建物の強制疎開の手伝いに駆り出され生徒の集合場所に向かう途中だった

原爆が落とされた時間があと数分遅かったら僕もこの世に父の子として存在しなかっただろう

あの日も暑かったらしい

今日も暑いね




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河崎秋子作

2024-07-04 14:29:34 | 

     

日々孫の面倒を見る女性がふらっと記憶にある小学生の頃父親の転勤で暮らした町を訪ねてみる

記憶の中にある霧多布の町の景色と鯨の爆発!と転校先の小学校で仲良しになったよっちゃん

よっちゃんの名字も思い出せない鯨の爆発!も、あやふやな記憶でしかない

ふと、彼女に微かな記憶が蘇る

鯨の爆発!とよっちゃんの思い出の地は霧多布じゃ無くて釧路だった

昭和40年、釧路の小学校の炊事遠足で起こった悲劇

衝撃的な出来事を彼女は忘れたんじゃ無くて自分自身の記憶から消し去ったんだった

この話は面白かった

最後に本当にあった出来事を話に絡めたんだね

良い作家さんだなと思ったらこの作品の次の年の作品で直木賞を貰っている

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しおめし

2024-07-04 07:39:36 | 

      

夏の日・・四万十川

貧困、イジメ、家族愛、不条理・・どこにでもある内容ですね

それにしても子供は時として残酷ですね

麦飯に塩を振っただけの弁当しか持ってこられない貧乏な女の子に付いたあだ名が

「しおめし」・・「しおめし」と呼ばれて返事をしなくちゃならないのか

前に読んだ本の中で父親が犯罪を犯して投獄された女の子に付いたあだ名が「あばしり」

こんなあだ名をつけられた本人たちにとったら地獄だよ

この本の中にあるが昔、子供たちの間で「花いちもんめ」と言うのがあった

地域によってルールは違うだろうけどこの本の中の「花いちもんめ」は

「あの子がほしい♪」と言ってどんどん人数が減っていって最後に残った子が

クラスの中の一番嫌われ者となる

この本のなかで最後に残った子はやはり「しおめし」だった


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特攻隊

2024-07-02 16:38:49 | 

     

先の戦争、陸海軍の航空機による戦記、特に特攻攻撃で戦死された航空兵の死の軌跡を綴った本

大戦後半の守勢にさらされ特攻攻撃止む無しの風潮が産んだ悲劇の話

アメリカが物量で日本を駆逐し日本は一部の将官がやたら精神論を鼓舞し大戦を長引かせた

そんな中で自分達はただ上官の命令に従って死に殉じようとする若者達

大戦も後半になって明らかに負け戦が見えてくると従順な若者達にも少なからず疑問は芽生えてくる

しかし彼らはおくびにも出さず国に殉じる覚悟なんだけれど

特攻攻撃に出て天候不良、機体不調、目標未確認で引き返す特攻機も増えてくる

もう戦争末期になると練習機から複葉機、水上機まで飛べれば何でも爆弾を積んで死地に赴かせる

この本にも出てくる白菊特攻隊の特攻機白菊なんて爆弾を積むと時速180キロ程度しか出ないと言う

特攻機を迎え撃つその頃のアメリカ戦闘機はもう700キロ近い速度を出せた

その棺桶の様な飛行機を特攻を指揮した将官達の中には敵の軍艦より遅いと笑った人もいたそうだ

そんな特攻機に乗り込むのは酸いも甘いも知らない20歳前後の若者だ

彼らを死地に送り込む上官達は必ずこう言って送り出した

「お前達だけ行かせない俺も必ず後から行く」

終戦時、責任を取って自死した将官は一人二人

将官の中には自分一人腹を切って死ねば済むのに

終戦の詔書が出ているのにかかわらず特攻隊を率いて特攻した人物までいる

道連れにされたほとんどの特攻隊員の内心は行きたく無かったろう

偽りの精神論が幅を利かせて無垢な人間を死に追いやったんだ

生きて虜囚の辱めを受けずの戦陣訓をやたら兵士に吹聴し死ななくても済んだ大勢の人を死なせた

陸軍大将は自決する態度は見せたけれど腹を切るのは痛いからピストルを使った

それもホントに死ぬのは躊躇した

頭を狙えば確実に死ぬからと胸を狙ってちょっと的を外した

念願通り彼は生き残った結局絞首刑になるんだけれど

今も昔も景気のいい話をする奴は信用しちゃダメだね

話は違うけれど特攻隊で生き残った偶然の話は幾つかあるけれど

特攻出撃の数分前にアメリカ軍機に基地を空襲され自分の搭乗機が破壊されて出撃出来なかった人がいる

もちろん隊員の態度は・・

「あの野郎!」だけれど

裏では便所の窓から敵のアメリカ軍機に感謝したと思うよ

絶対に

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兵営の生活

2024-07-01 07:36:26 | 

     

昔、徴兵制と言う強制的に兵隊を徴募する制度があり

好む好まないを問わず指名されれば軍隊に入らなくてはいけませんでした

この本はその頃に軍隊生活(兵営)を捉えた本です。

軍隊生活には不条理な事が多くて下級兵士にとって上官から受ける私的制裁は最も恐れられる行為でした

兵役に就いた初年兵は徹底的な軍隊生活を埋め込まれ強い兵隊に仕立てられます

整理整頓から挨拶、軍事教練、団体行動から上官への対応、全てが競争原理の上に行われます

競争原理の上に不条理な人間感情も大いに盛り込まされます

こんな事がまかり通るのか言う制度も行為もあって兵隊生活を苦しめます

員数を合わせると言う言葉があって国から支給された物、銃や銃剣の部品

また下着から帽子、脚絆に至るまで絶対に失ってはいけないのです

検査日に本当に支給された物の数は合っているか徹底的に調べられるのですが

数さへ合って入ればたとえその物が使用に耐えられないボロボロの物でも良いのです

ボロも無くて員数の揃わない支給したものを無くしてしまったとなると無くした兵隊には

私的制裁や降格など無理難題を吹きかけられます。

特に兵器類の類、銃の部品などを紛失した場合初年兵に至っては死をもって償ったと言う話は

よく戦記小説などで取り扱われています

しかし、要領の良い兵隊は他の兵隊から失った物を盗んで員数を合わせると言った行為に出ます

だから軍人の本分は勇猛果敢ですが生き残る最条件は要領なんですね


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泣かされた

2024-06-27 07:36:18 | 

     

著名作家の短編集、唯川恵作「夏の少女」

ある夏の日、余命数か月の女性が故郷に帰って10歳くらいの不思議な少女に出会う

馴れ馴れしく接してくる少女に女性は好感を持つんだけれど・・・

読み進んでいくうちに・・これはあのパターンだなと

女性には子供がいないが10年ほど前に流産を経験したことがある・・

そうなんだよあれだよあれ

映画だけじゃ無くてこの話は別の小説でも読んだし弘兼憲史の漫画でもこの手の話を読んだ事がある

しかし分かっちゃいても毎回この手の話は泣かされるんだよ





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ただ臭かった

2024-06-21 08:43:30 | 

           

今から40年以上も前の1980年頃の釜ヶ崎のドヤ(安い宿泊施設)や住人達の写真集

その頃僕は2度目の受験に失敗して3か月ほど大阪のアパートでボ~としていたんだけれど

(こんなこっちゃいかん)と思って、その頃創刊されたばかりのアルバイトニュースを買って

バイトを探した・・(生まれて初めてのバイト探し)

中に・・「簡単な軽作業」をうたい文句のバイトがあってそれがまた時給が良いんだ

「これや!」と思って面接を受けたら採用された

それがまた知らないと言うのは怖いもの知らずで

仕事内容は簡単な軽作業どころか肉体労働の所謂「土方」だった

その初めての現場が西成の釜ヶ崎、三角公園に面した道路工事だった

公園は強烈な光景が広がっていた

トドのハーレム?のようにおっさん連中が公園で寝転がっていて

皆一応に酒を飲みながら咳をしている

一番驚いたのが公園と言わず周りの道路もしょんべん臭いんだ

見てると寝転がってた、おっさんがおもむろに立ち上がってしょんべんをするんだ

傍で寝ている人がいるのに

僕・・思ったんよ

(人間が人間である事を捨てとるな)と

何日かその現場で作業員をしたけれど現場監督に(どんくさい!)って怒られて

その後は現場の見張り番になった

現在の見張り(ガードマン)は車や人の誘導なんだけれど

あの頃のあそこ?の見張りは工事の道具をあそこの住人に盗まれないようにする

本当の‘見張り,だった

何日か見張ってたんだけれどよくよく見ると公園の住人が結構楽しそうなんだ

最後の頃には・・

(わしもここの住人になろかな?)とか思いだすんだ

最近、釜ヶ崎周辺がSNSに何かと出ていて

最悪のスラムとか無法地帯とか書かれていたりすると思わず笑ってしまうんだけど

昔から暴力を受けたなんて聞かなかった、そりゃ一部ではあったかも知れないけれど

あそこは怖い街じゃ無くて

人生の‘やる気,を失ったおっさんの街だよ

今じゃしょうべん臭いなんて聞かないし

釜ヶ崎グルメの話題ばかりやん

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浸かりっぱなし

2024-06-14 06:57:34 | 

       

この本はけっこうおもしろかった

俳優さん達の小さい頃住んでいた家の間取りと本人の語る半生

著作者さんだろうけどインタビュアーが良いんだろうな

23人の俳優さん達の事が書かれている生い立ちに家庭環境

歌舞伎役者さん始めほとんどの人が裕福な家庭の出なんだけれど貧乏?な家庭出身者が5人

その5人の方すべてがお爺さんの代まで大金持ちなんだ

(ありがちな話だね)

石倉三郎さんの事も書かれている

お父様は船場の仕出し屋の息子で小学校に通うのに革靴を履いて人力車で通ったそうだ

その仕出し屋が空襲で焼けてから生活が一変するんだけれど

小さい頃は極貧状態だったけれどすごく母親思いだったんだね

僕は石倉三郎さんのファンだから石倉さんに関するいろんな書籍を読んだけれど

それらに書かれていない事がこの本には書かれている

所謂、石倉三郎伝説のいくつかが出てくる

たぶん、本物だったんだね(そう言う話は僕は興味が無いけれど)

石倉さんは21歳の時に東映の大部屋俳優になるんだけれど

次の年に東映の専属俳優(あくまで大部屋俳優)になれる予定だったのに

その年、いじわるな東映の演技課の男性を殴って辞めてしまう

この本の中で石倉さん曰く・・

「辞めて良かった、専属で月給貰っていたら満足してずっと大部屋のままだったから」

そうなんだね、石倉さんがあのまま大部屋俳優だったら

コント・レオナルドも現在の名脇役石倉三郎も無かったんだね

ぬるま湯に浸かって現状に甘んじていたら出世は無いんだね・・

・・と人生ずっとぬるま湯に浸かったままの男がほざきます

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保護司

2024-06-09 08:20:38 | 

      

ちょうど昨日読み終えた小説‘身分帳,

殺人事件で懲役10年の刑が下され刑務所に服役中に同囚及び看守への暴行で2年刑期が追加された

殺人犯が満期出所後弁護士である保護司の見守りの下で社会復帰を目指す話しなんだけれど

この元殺人犯の方は12歳の頃の児童相談所から少年院、刑務所と人生のほとんどを臭い飯を食べて来た

知能指数は高いんだけれど短期で些細な事でも切れやすく粗暴なんだ

保護司とかケースワーカーが介在するんだけれどこれで簡単に社会復帰出来るようだと

人生のほとんどを刑務所の中で過ごしたりしていない

最後にこの方は誰かの殺害されてこの話は終わる

モデルの方はいるみたい

読み終えると同時にテレビで保護司の方が更生させようとした人に殺害されると言う事件が起きた

人間の性根なんて変えられるわけが無いと僕は思う

ただ殺害された保護司の方のご冥福を祈ります

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