HIROZOU

おっさんの夜明け

兵営の生活

2024-07-01 07:36:26 | 

     

昔、徴兵制と言う強制的に兵隊を徴募する制度があり

好む好まないを問わず指名されれば軍隊に入らなくてはいけませんでした

この本はその頃に軍隊生活(兵営)を捉えた本です。

軍隊生活には不条理な事が多くて下級兵士にとって上官から受ける私的制裁は最も恐れられる行為でした

兵役に就いた初年兵は徹底的な軍隊生活を埋め込まれ強い兵隊に仕立てられます

整理整頓から挨拶、軍事教練、団体行動から上官への対応、全てが競争原理の上に行われます

競争原理の上に不条理な人間感情も大いに盛り込まされます

こんな事がまかり通るのか言う制度も行為もあって兵隊生活を苦しめます

員数を合わせると言う言葉があって国から支給された物、銃や銃剣の部品

また下着から帽子、脚絆に至るまで絶対に失ってはいけないのです

検査日に本当に支給された物の数は合っているか徹底的に調べられるのですが

数さへ合って入ればたとえその物が使用に耐えられないボロボロの物でも良いのです

ボロも無くて員数の揃わない支給したものを無くしてしまったとなると無くした兵隊には

私的制裁や降格など無理難題を吹きかけられます。

特に兵器類の類、銃の部品などを紛失した場合初年兵に至っては死をもって償ったと言う話は

よく戦記小説などで取り扱われています

しかし、要領の良い兵隊は他の兵隊から失った物を盗んで員数を合わせると言った行為に出ます

だから軍人の本分は勇猛果敢ですが生き残る最条件は要領なんですね


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泣かされた

2024-06-27 07:36:18 | 

     

著名作家の短編集、唯川恵作「夏の少女」

ある夏の日、余命数か月の女性が故郷に帰って10歳くらいの不思議な少女に出会う

馴れ馴れしく接してくる少女に女性は好感を持つんだけれど・・・

読み進んでいくうちに・・これはあのパターンだなと

女性には子供がいないが10年ほど前に流産を経験したことがある・・

そうなんだよあれだよあれ

映画だけじゃ無くてこの話は別の小説でも読んだし弘兼憲史の漫画でもこの手の話を読んだ事がある

しかし分かっちゃいても毎回この手の話は泣かされるんだよ





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ただ臭かった

2024-06-21 08:43:30 | 

           

今から40年以上も前の1980年頃の釜ヶ崎のドヤ(安い宿泊施設)や住人達の写真集

その頃僕は2度目の受験に失敗して3か月ほど大阪のアパートでボ~としていたんだけれど

(こんなこっちゃいかん)と思って、その頃創刊されたばかりのアルバイトニュースを買って

バイトを探した・・(生まれて初めてのバイト探し)

中に・・「簡単な軽作業」をうたい文句のバイトがあってそれがまた時給が良いんだ

「これや!」と思って面接を受けたら採用された

それがまた知らないと言うのは怖いもの知らずで

仕事内容は簡単な軽作業どころか肉体労働の所謂「土方」だった

その初めての現場が西成の釜ヶ崎、三角公園に面した道路工事だった

公園は強烈な光景が広がっていた

トドのハーレム?のようにおっさん連中が公園で寝転がっていて

皆一応に酒を飲みながら咳をしている

一番驚いたのが公園と言わず周りの道路もしょんべん臭いんだ

見てると寝転がってた、おっさんがおもむろに立ち上がってしょんべんをするんだ

傍で寝ている人がいるのに

僕・・思ったんよ

(人間が人間である事を捨てとるな)と

何日かその現場で作業員をしたけれど現場監督に(どんくさい!)って怒られて

その後は現場の見張り番になった

現在の見張り(ガードマン)は車や人の誘導なんだけれど

あの頃のあそこ?の見張りは工事の道具をあそこの住人に盗まれないようにする

本当の‘見張り,だった

何日か見張ってたんだけれどよくよく見ると公園の住人が結構楽しそうなんだ

最後の頃には・・

(わしもここの住人になろかな?)とか思いだすんだ

最近、釜ヶ崎周辺がSNSに何かと出ていて

最悪のスラムとか無法地帯とか書かれていたりすると思わず笑ってしまうんだけど

昔から暴力を受けたなんて聞かなかった、そりゃ一部ではあったかも知れないけれど

あそこは怖い街じゃ無くて

人生の‘やる気,を失ったおっさんの街だよ

今じゃしょうべん臭いなんて聞かないし

釜ヶ崎グルメの話題ばかりやん

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浸かりっぱなし

2024-06-14 06:57:34 | 

       

この本はけっこうおもしろかった

俳優さん達の小さい頃住んでいた家の間取りと本人の語る半生

著作者さんだろうけどインタビュアーが良いんだろうな

23人の俳優さん達の事が書かれている生い立ちに家庭環境

歌舞伎役者さん始めほとんどの人が裕福な家庭の出なんだけれど貧乏?な家庭出身者が5人

その5人の方すべてがお爺さんの代まで大金持ちなんだ

(ありがちな話だね)

石倉三郎さんの事も書かれている

お父様は船場の仕出し屋の息子で小学校に通うのに革靴を履いて人力車で通ったそうだ

その仕出し屋が空襲で焼けてから生活が一変するんだけれど

小さい頃は極貧状態だったけれどすごく母親思いだったんだね

僕は石倉三郎さんのファンだから石倉さんに関するいろんな書籍を読んだけれど

それらに書かれていない事がこの本には書かれている

所謂、石倉三郎伝説のいくつかが出てくる

たぶん、本物だったんだね(そう言う話は僕は興味が無いけれど)

石倉さんは21歳の時に東映の大部屋俳優になるんだけれど

次の年に東映の専属俳優(あくまで大部屋俳優)になれる予定だったのに

その年、いじわるな東映の演技課の男性を殴って辞めてしまう

この本の中で石倉さん曰く・・

「辞めて良かった、専属で月給貰っていたら満足してずっと大部屋のままだったから」

そうなんだね、石倉さんがあのまま大部屋俳優だったら

コント・レオナルドも現在の名脇役石倉三郎も無かったんだね

ぬるま湯に浸かって現状に甘んじていたら出世は無いんだね・・

・・と人生ずっとぬるま湯に浸かったままの男がほざきます

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保護司

2024-06-09 08:20:38 | 

      

ちょうど昨日読み終えた小説‘身分帳,

殺人事件で懲役10年の刑が下され刑務所に服役中に同囚及び看守への暴行で2年刑期が追加された

殺人犯が満期出所後弁護士である保護司の見守りの下で社会復帰を目指す話しなんだけれど

この元殺人犯の方は12歳の頃の児童相談所から少年院、刑務所と人生のほとんどを臭い飯を食べて来た

知能指数は高いんだけれど短期で些細な事でも切れやすく粗暴なんだ

保護司とかケースワーカーが介在するんだけれどこれで簡単に社会復帰出来るようだと

人生のほとんどを刑務所の中で過ごしたりしていない

最後にこの方は誰かの殺害されてこの話は終わる

モデルの方はいるみたい

読み終えると同時にテレビで保護司の方が更生させようとした人に殺害されると言う事件が起きた

人間の性根なんて変えられるわけが無いと僕は思う

ただ殺害された保護司の方のご冥福を祈ります

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テレビドラマにもなったんだって

2024-06-07 09:45:05 | 

      

創業100年の老舗の足袋屋が起死回生を狙ってランニングシューズを開発するまでの紆余曲折の話

シューズのソールの素材作りに難儀するんだけれどランニングシューズのソールの研究が

考えても無かった本業の足袋の裏底に使用できて諦めていた本業の売り上げが伸びたんだ

これなんだよな

日本は軍事技術開発はいけないと声高に騒ぐ人たちがいるけれど

軍事技術はすそ野が広くてその技術がどこに応用できるやもしれない

インターネットもロケットなんかの宇宙開発も元をたどれば軍事技術開発の賜物だ

反対、反対、日本が発展する事は何でも反対

そんな声に動かされてばかりいるとますます日本は衰退する一方だ


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出町の柳

2024-06-04 10:26:34 | 

       

水上勉さんの京都の花街を舞台にした短編集

3編ほど読んだ時点で読み続けるのが嫌になって来た

祇園の芸子さんや舞妓さん置屋の女中さんの話

父無し子に落籍される女性の話・・

仕事着の着物のまま、お客とホテルに行った芸子の為に

普段着を持って事が終わるまでホテルの前で待つ置屋の女中

前に元祇園の舞妓さんをしていた映画のプロデューサーのお妾さんが書いた本を読んだ事があるけれど

19歳の時彼女を落籍したのは小学校の同級生のお父さんだったんだ

作者の水上勉さんや失楽園の作者渡辺淳一さんなんかが良く祇園を題材にした小説を書いている

彼らは実際に祇園で遊び慣れていて普通に祇園の話を書いているんだけれど

祇園を知らない一般人からしたら普通じゃ無いぞ

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お遍路さん

2024-05-30 07:04:06 | 

    

お遍路さんに関する本を何冊か借りて来た

その中の「いきぢごく」

東京のキャリアウーマンが元遍路宿だった実家の書斎から戦前に書かれた女性の遍路日記を発見する

女性は不倫関係だった男性を殺害して遍路の姿に身をやつし四国88カ所を巡る旅に出る

その過程を遍路日記に綴るんだけれど

その遍路日記と現在のキャリアウーマンの日常を照らし合わせているんだけれど

何ともまあ後味の悪い作品だね

遍路日記を綴った女性は遍路日記中に2度ほどレイプ被害に会ってる

女の一人旅で野宿の様な巡礼だからそう言った事もあったかも知れない

戦前はお遍路を‘へんど,と呼んで遍路差別もあった

きょうびの世の中‘差別,と言ったら昔の事でもお金になるそうだから

お遍路差別を叫んでお金に出来るかも知れない

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理不尽

2024-05-29 08:36:11 | 

           

慰安婦と言うテーマで幾つか本を借りて来た

僕は小さい頃から‘戦記本,の読者でそれらの本の中で慰安婦の話が出てくることがある

ピー屋と呼ばれる売春宿で兵隊相手に春を売らされる

日本軍の上級将校(部隊長)?に至っては最前線の戦場にまで自分専用の慰安婦を伴う事があった

広義の上の強制、反強制とか難しい事は分からないけれど彼女たちは純然たる被害者だ

一冊は元慰安婦の方に話を聞いた日本人女性の書いた本

この日本人女性の方が書いた本は一般に出回っている偏った?慰安婦本と違って

客観的に内容を精査できる

16歳の時友達の家に遊びに行った帰りに日本人と朝鮮人の憲兵それと朝鮮人の刑事に

「ちょっとこい」と呼び止められて

そのまま慰安婦にされてしまう

慰安所の主人は朝鮮人の方

別に借金の形がついて売られたわけじゃ無いので最初は家に帰れた

しかし慰安婦が慰安所を抜け出す事はほとんど出来なかった

この方、戦争末期に自分が日本の郵便貯金に貯めた5000円が日韓基本条約を盾に返されないと言うんだ

戦時中に慰安婦の方が5000円も貯金すると言う事は言い表せられない苦しみの糧だ

東南アジアには現金で払い戻されない軍票を多く抱えて日本政府に訴えかけている人もいるらしいから

理不尽と言えば理不尽だね

一冊は韓国のカメラマンが書いた本

もう一冊は日本の有名な漫画家さんが書いた本

書評は無し

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日本の戦争

2024-05-29 07:59:25 | 

    

少し興味があったから図書館でリクエストして何冊か借りて来た

まあこんな物だろうな・・と読んだけれど

概ね客観的に書かれているんだけれど・・著者の方が

「これも抜けている・・この事に関しても抜けている」と言って

日本軍の悪逆非道の記述が少ないとおっしゃっている

いちいちそんな事まで教科書に書いていると歴史の教科書の半分は日本の戦犯問題になって来る

歴史教科書で削除された記述にも怒り心頭になっておられる

それは志那事変の際、母親の目の前で生後一か月くらいの赤ん坊を空中に放り投げてそれを

2人の日本兵が笑いながら銃剣で突いたと言う記述だ

嘘だと言わない本当にあった事実かも知れない

教科書にはこの事を挿絵入りで載せるはずだったそうだけれど

どうなんだろう?

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