HIROZOU

おっさんの夜明け

思ひ出

2014-07-03 19:43:26 | メモリー

1年で一番好きな夏だというのに

 どうも覇気が出ないし疲れ易い、それに妙に体がだるい

年齢からして更年期障害か何かだろうな

若い頃は夏の日差しにワクワクしてた
なんだか新鮮な出会いに巡り合いそうな気がしてた

もうこんなおっさんになったら出会いもへったくれも無くて
夏なんてただ暑苦しいだけだが

遠い夏の日、大阪に住んでいた事があってあの頃も暑かったな
まだ個人の家にクーラーなんて無い時代
住んでいたアパートの部屋が角部屋だったんでパンツ一枚でドアを開け放しで寝てた
鉄格子の窓から湿った風が吹き込んだ

梅田の予備校に通っていたけど
くそ暑い日に授業なんか出なくって東通り商店街のパチンコ屋に入り浸っていた
たまに儲かると元禄寿司かぼてちゅう、エロ本
やり手ババアが換金所の外で待ってて
「兄ちゃん、ええ子おるでぇ~」って声かけて来たけど、それに答える勇気なんか無かった

どこかの店から松山千春が流れてた

地下街は御堂筋線の地下鉄の音と空調から吐き出す排気、すえた臭いがした

阪急のエスカレータの乗り場の一階に一杯400円の生ビールの屋台が出ていて
ぐいっと一杯ひっかけたら旨かった

歩道橋の上で覚えたてのタバコを吹かした
人が汗をふきふき歩いてた
車が排気ガスを吐きながら行き交っていた

破れたポスターと立てかけられた看板

灰色の街に夏の日差しが降り注いだ

コメント
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