HIROZOU

おっさんの夜明け

遠い昔

2018-04-23 17:32:48 | メモリー

朝の散歩はもうこの辺では珍しくなった田圃まで足を延ばす

土が耕されて畔の草が刈られ、あとは水を張って田植えを待つ、そして連休中に一斉に行われる

自分の四国の実家辺りではとっくに田植えは終わりもう稲が青々として風になびいている頃だろう

小さい頃、いつも魚をすくうタモを持って畦道を駆け回った

この時期になると‘のっこみ,と言って川のフナが田圃の用水路に大群で登って来る

それに、その頃山の上に鯉や金魚の養魚場があって雨が降るたんびに養魚場から抜け出した鯉や金魚がフナに交じって泳いでいた

少年の僕には夢のような世界だった 

学校で苛められても先生に叩かれても授業が終わると一目散にタモをもって田圃に向かった

いつも一人で

遠くでゴロゴロと雷が鳴り、通り雨が走って来た、パラパラと蓮の葉に当たったかと思ったら

まわりが急に暗くなって本格的などしゃぶりだ

ひたすら少年は肩を落としてじっと雨が通り過ぎるのを待った

ゲコゲコとカエルの声が大きくなって心細くなった少年に家路を促した

遠い昔、、、

おっさんになった少年は毎日、嫌な事ばかり

ぐちぐちぶちぶち

出るのはグチばかり

ゲコゲコとカエルの声が大きくなって

コメント
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