児童文学者で埼玉県の教育委員会の委員長も務めた上条さなえさんの本
10歳の頃、アルコール中毒で甲斐性無しでDV男と三拍子揃ったお父様と
池袋のドヤ街で過ごした日々を綴った話
借金取りから逃れるために小学校へも通えず、風呂屋へも行けず服は着たきり雀
女の子だよ
そんなお父様でも彼女にとっては大事な親
生活の足しにとパチンコ玉を拾ってお金に換える
それにしても男親ってだらしが無いね
(僕もそうだけど)
結局、養護学校に入るんだけれど
先の東京オリンピックの頃、昭和の39年頃までこの様な貧困家庭の人も多かったと思う
平成天皇陛下と美智子皇后が出会った軽井沢のテニスコートの恋なんて庶民には夢のまた夢で
底辺の人間なんて明日をも知れない生活をしていたんだ
上条さんは地頭?が良くて大学まで行って教員になったそうだけれど
池袋のドヤ街でそのまま育ったとしたら悪い男に騙されてどんな目に合ったか知れないね
ようやく読み終えた、北原亞以子さんの遺作らしい
秀吉時代にポルトガルからもたらさた、ぎやまんの鏡を題材にした話
最初にこの鏡を手にしたのは秀吉の正妻おね
それからいろんな時代のいろんな人の手に渡り最後は上野の彰義隊士の手に
その間250年程、茶々にお江、春日局から新選組まで
鏡を手に入れた時代の史実から人物像や人間模様までを心を持ったぎやまんが話を進めるんだ
なかなか面白い話の内容だ
ポルトガル生まれの手鏡は最初は珍しがられて太閤婦人に送られるがその後はゴミに出されたりする
鏡は声には出せないけれど持ち主を励ましたり詰ったりする
春日局以降の持ち主のほとんどは男なんだけれど
手鏡なんだから最後まで持ち主は女性にして貰いたかった
代々伝わる物って家とか絵とか骨董品があるけれど
前に住んでいた人や品物の前の持ち主はどういう人生を歩んだんだろうとか考えると面白いよね