オリンパス XA3
オリンパスの大ヒット作XA2のマイナーチェンジバージョンXA3です。
レンズバリアを閉じた姿は真っ黒のコロッケかバロム1のボップみたいですね。黒いコロッケを「じゃきっ!」と開くと
ズイコーレンズを装備したカメラに変身です(^^)。
デザイン・設計はあの天才設計者の米谷さんによるもので
「プラスチックを使うのなら金属カメラのマネをしてメッキなどするのではなくプラスチックを生かしたデザインをすればよいのだ」
とおっしゃっていたそうで・・カッコいいたらありゃしません。
そしてなんとXA2はカメラとしては初めて1981年「グッドデザイン大賞」を受賞しているのです!
最初のモデルXAは、F2.8レンズをカプセルボディに押し込み
(なんとレンズは5群6枚という贅沢さ!)レンジファインダーと絞り優先AEという本格派でした。
XA2はそのXAの簡易バージョンとしてピントは目測とし、レンズも4郡4枚でF値もF3.5に
抑えて無理なくまとめられています。カメラのキャラクター的にはXA2のほうがコンセプトに合ってますね。
発売はXA2が1980年、XA3は1985年です。さすがに1985年ともなるといかにすばらしいカメラでも
コンセプト的には古く、XA2よりの改良点としてクオーツデートやイージーローディング・フィルム感度自動設定の
DXコードにも対応していますがセールスはあんまり伸びなかったようです。もっともオリンパス自身もオートフォーカスの
ピカソシリーズに主力は移っていましたから仕方ないところではありますが・・。
XAは無理やりカプセルにF2.8レンズを押し込んだために「周辺がズルズル」という評価がもっぱらですが
XA2・3は開放値をF3.5に抑えたレンズなので描写に無理がないといううわさです。はたしてその写りやいかに(^^)?
ZUIKO 35mmF3.5 AE リアラエース
いかにもズイコーらしい乾いた感じの描写です。他のコンパクトカメラと比べると同じような35mmレンズでも
対角線に引っ張ったような感じが強い気がします。もっともこの手のコンパクトカメラは無限大よりも3mぐらいが一番レンズ性能
が出るものが多いらしいので使われかたを考えるとそれが正解ですね。
クオーツデートも2019年まで対応なのはナイスなところです。OM用のレコーデータパック4でさえ
2009年ですでにご臨終なところを考えると素晴らしいアドバンテージです(^^)。
AFがなかったぶん逆に古くなっても使用に耐えるというのはすばらしいですね。
もとがシンプルなせいで壊れるところも少ないというわけです。
そういえば大正時代のSLでも観光列車としていまだに熊本で走っています。
ローテクなほうが最先端ハイテクよりもサバイバル性が高いのですね。
いつまでたっても魅力を失わないコロッケスタイルをオリンパスにはぜひデジタルで復活させてほしいものです。
ペンデジタルもOMデジタルもスタイルで売れたようなものですし・・・。
全部米谷さん設計・デザインなところがすごいですね。
あ、でもオリンパスには今そんな余裕はないか・・(^^;)。