EBC Xフジノン100mmF2.8
中古のカメラには「デッドストック」という不思議なジャンルがあります。
良く言えば奇跡的に発見された貴重な新品在庫、悪くいえば売れ残り不良在庫です。
カメラの箱はそこそこ小さいですから積み重ねができるうえに、昔のフィルムカメラは少しぐらい古くなっても
デジカメみたいに市場価値が暴落てのはあんまりなかったのでしょう、けっこう古~いカメラやレンズが棚ズレして
生き残っていることも珍しくないのですね(^^)。
今回なんとその「デッドストック」のXマウントフジノン100mmF2.8をゲトしてしまいました(^^)ゞ。
なにしろ一応は「新品」なのですが、実際モノは30年も前の製造なのですから中身がカビカビでないか不安でした。
普段から「未使用新品」や「デッドストック」ものが大好きな友人が購入のたびに
「またなんちゃって新品や~」とか、「未使用ちゅうのは出品者が未使用なだけの中古やった~!」などと
叫んでいるのを聞いているので現物が到着するまではドキドキでした。
幸い到着したレンズは前玉が少しく汚れていたものの、軽く磨くと「EBCコーティング」のほどこされた
フジノンレンズが30年の眠りから目覚めました!前縁をせっせと拭きすぎてせっかくのEBCFUJINONの
ロゴが薄くなってきたのには焦りましたが(^^;)。
フジカSTX-1 100mmF2.8 1/60 F4 ベルビア50
フジの誇る「EBC:エクストラ・ビーム・コーティング」を試すべくいつもの明石海峡の夕陽を狙ってみました。
明石海峡大橋の細部って真面目に見たことがなかったのですが橋は二本ずつのワイヤーで吊ってあったんですね。
さすがはEBCコーティングです。夕陽でもびくともしない解像感です(^^)。
フジカSTX-1 100mmF2.8 1/60 F5.6 ベルビア50
EBCコーティングう!とフジノンレンズの広告には必ず謳われているのでどんなに美しいコーティングかと
思っていたのですが、ごくごく普通の地味なアンバーのコーティングでした。ツァイスやロッコールのような
静謐な泉の奥をのぞき見るような美しいヒスイ色・・・を期待していたのですが(^^;)。
描写力はすばらしく、何よりベルビア50のようなクセの強いフィルムを見事に手なずけています。
これがツァイスならうそくそ・・あわわ、ビビッドなイメージカラーで記憶をつきぬけた発色になるところですが
紅葉の美しさもほぼ見た目どおりに撮影できました。さすがはフジフィルム&フジカレンズの純正組み合わせですね(^^)。
フジカSTX-1 100mmF2.8 1/250 開放 ベルビア50
中望遠ですから開放からの描写もばっちりです。冬毛のニャンコのあたたかそうな質感がよく撮れました。
ボケ味もなかなかの感じで二線にもならずロッコールなみにボカして使ってみたくなりますね。
想像以上のヒット率で私の100mmコレクションの中でも上位に位置するレンズです。
ひょっとしたらフジクロームを使う限りは最強かもですね(^^)。