SMCタクマー24mmF3.5
私は自身が最初に購入したレンズが40mmだったために24mmという画角が一番広角でも
お気に入りの画角です。ただカメラの神様ライカ様の発売がなかなかおそかったせいか
あまりプレミアムな雰囲気の人気タマはないようですね。
昭和50当時のレンズガイドによりますと、30,500円もの定価でけっこうなリッチ玉です。
でも「庶民の味方」のペンタックスですからカメラ毎日の広告では量販店で23,000円で販売されています(^^)。
このタクマー24mmもかなり一生懸命さがした末にようやく手に入れることができました。
なによりうれしいのは石鹸箱みたいな巨大なフードが付属していたことで、このペンタックス最盛期のころの
金属製フードの剛性感はたまりません。スクリューマウントなのに角型で効果満点ぽいのもポイントです。
そのかわりにレンズ交換のたびにフードが回ってしまっていちいちフードがまっすぐになるように
調整しなければなりませんが(^^)ゞ。
無限大の次の距離目盛はいきなり3mで赤く塗られています。絞りもF8のところが同じく赤く塗られており
絞りをF8にセットすれば無限大から1.3mまでがパンフォーカスの被写界深度目盛に
入るというスナップレンズになります。昔のSPなどの暗めのピントグラスでも
ピント合わせを気にせずにスナップしてくださいというわけですね。
ベッサフレックスTM SMCタクマー24mmF3.5 F8 1/125 ベルビア50
タクマー24mmの主張どおりF8でパンフォーカスをねらってみました。
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平の方までゆくんか
おもわず山村暮鳥の有名な詩を思いだしてしまいます(^^)。
広角使いの私の友人によると
「広角レンズやからどの雑誌やノウハウ本もみんな一歩ふみこんで被写体に近づいて撮れと書いてある。
けど広角レンズというのはそもそも広く撮りたいから広角レンズを使うんやろ?素直に広いところをひろびろと
感じさせる写真を撮るのがほんまちゃうんか!」
ということです。なるほどなるほど。というわけでひろびろとした空と雲をねらってみました。
ボディがベッサフレックスだったので真面目に露出計の指示どおり撮るとけっこうアンダ目の露出です。
古い広角レンズにしてはけっこうがんばってくれてますね。
もっともペンタックスSPなどと比べると全くファインダーは明るいのですが、その分絞り開放でのぞきますと
昔国産レンズらしいもへもふとした映像を楽しむことができます(^^)。
そして測光のために絞り込みスイッチを押しますと見違えるようにシャープな画像がファインダーに
展開されます。絞り込むとガラッと雰囲気が変わるクラシックなレンズの楽しさを思うぞんぶん
味わえます。開放測光の明るさも捨てがたいですが絞り込みの楽しさというものを
このタクマー24mmで初めて知ったような次第です。
それというのもベッサフレックスの明るいファインダーのたまものですが
「昔のインターフェースを現在のクオリティで再現」したベッサフレックスはもっともっと
評価されても良いですね。
フィルター径は58mmとタクマーにしてはやや大振りですが他のタクマーが小型なのに
なれてしまっているからで普通の大きさと言ってよいでしょう。なによりタクマーレンズの
高精度の全金属鏡筒のフィーリングは最高です。ピントを合わせるのって楽しい!と
文句なく感じることができます。ぜひデジカメユーザーの方にもアダプターで楽しんで欲しいタクマーです。