リコー35R
先日久しぶりにいつもの中古カメラ屋さんのジャンク箱あさりをしていますと既視感のあるカメラを発見しました。
プラスチックのパコパコ感でふわふわしたカメラでネームは「RICOH 35R」とかいてあります。
はて?聞いたことのない名前ですが・・ただ外見は「リコーMF-1」です。
何より付けられている値段がなんと100円です。しかも消費税8パーセントのご時世に
税込でありました。即買いは当然ですが、真っ黒で地味子ちゃんすぎるのでシルバーの
フィルターを付けてあげました。キリッと引き締まって美人になりましたね!
て、フィルターのほうがよっぽど高いです(^^;)。
さっそくネットで調べてみますと、予想どおりリコーMF-1の輸出バージョンのようです。
MF-1についていたオートブラケット機構の代わりになんとリコーのお家芸たる「TVモード」
がついています。
TVモードとは何ぞや?ということですが、シャッタースピード優先というわけではなく
「TV画面を撮影するモード」です。TVの走査線が写りこまないように正確に「1/30秒のシャッターで
撮影できる」ということだそうです。1/30秒なんてどんなカメラにでもついてるやん?というところですが
通常のカメラは倍々でシャッターを設定しているので実際は1/32秒なんだそうです。
いまどきならテレビ画像はパソコンでキャプチャーというところですが、発売当時(2001年)は需要が
まだあったんでしょうか?外部フラッシュのホットシューやミニミニプラグのケーブルレリーズが使えたりなどで
業務用ぽい雰囲気もなきにしもあらずですね。
このカメラの人気なところは絞り優先とマニュアルピントの設定ができるというところですが
(MF-1=マニュアルフォーカスですね)レンズが30mmのF3.9という広角レンズで
無理をしてないF値のレンズですからあんまり意味がない・・あわわ、気にしなくて良いような(^^)ゞ。
リコー35R オート プロビア100F
撮影してみて一番に感じたのは巻き上げ速度の速さです。バッテリーは単三2本というコンビニエンスな
仕様でとってもありがたいうえに、レリーズした後の巻き上げレスポンスの良さはこのクラス最速かも?です。
ひょっとしたら巻き上げが遅いので有名な同門のGR-1に対抗したのかな?
レンズは私の大好きなトリプレット3枚玉ですがさすがに30mmの広角ではF3.9と控えめな数字とはいえ
周辺落ちが激しいですね。お天気が良いのでけっこう絞ってくれてるはずですが四隅はトリプレットらしく
ぐりぐりしてます。でも広角らしくかえって良い雰囲気でしょうか(^^)?
リコー35R オート プロビア100F
取り壊し寸前の近所の団地です。あと50年がんばれば「昭和文化遺産」として登録されるでしょうが
県住ですから公共性が高すぎてそうもいかないといったところでしょう。
これモノクロでの撮影だったら廃墟作品の一丁上がりですねえ。
リコー35R オート プロビア100F
アクティブ式のごく普通のオートフォーカスですがきちんと測距してくれています。
もっとも無限大・2.5m・1.2m・0.6m(60cm)の4段階しかないようですが。
被写界深度のふか~い30mmF3.9ですから必要にして充分であります。
せっかくフラッシュもついているのでので逆行補正代わりに日中シンクロもしてみました。
レンズシャッターはいつでもどこでもシンクロができて楽ちんです(^^)。
なにしろ100円のジャンクですから撮影が終わるまで不安でしたがポジの露出もピントも全部オートで
ばっちしと決めてくれてほっとしました。そしてこの30mmレンズもなかなかに個性的描写で良いですね。
同社のGR28mmみたいにライカLマウントにして発売すればおもしろレンズとして結構売れたんではないでしょうか。
これからもリコーの「カメラが大好き!おもしろカメラ作るよ!売りますよ!」の社風がいつまでも続くことを願ってやみません。