ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5
「もうあれから30年もたったんですね~」←(しみじみと)
このセリフがいいたくて、ずっとずっとネタをあたためていたのですが・・モタモタしていて
うっかり年を越してしまい、気が付けば30年目は終わっておりました(TT)。
ので、気をとりなおして改めまして(^^)ゞ。
「もうあれから31年もたったんだね!」そう、本邦カメラ史上最強のエポックメイキングマシン
ミノルタα-7000の登場です。
時は1985年。もはや一眼レフカメラの技術的発展は終了したのではないか?右肩下がりの出荷台数にカメラ業界がすっかり
後ろ向きになっていたころ、「流星のように」どころか、「超新星大爆発」のような衝撃で登場したのがこの
ミノルタα-7000です。
それまで何種類か他社から「オートフォーカス一眼レフ」は発売されていたものの、どれもこれも試作品・キワモノの
臭いがしてダサダサ・・あわわ、電源やモーターを既存ボディに実装したためにオフロード車のスペアタイヤのような
後付け感のあるスタイルのマシンばかりでした。
ところがこのα-7000は「どこから見ても普通の一眼レフ」のマシンとして登場したのです。
もちろんそのためにレンズもそれまでの伝統あるSRマウントを捨て、新たにオートフォーカス用Aマウントとして
発売されました。
それまで存在していた他社の一眼レフカメラはすべて一夜にして旧式機となり
「α-7000にあらずんば一眼レフカメラにあらず」という状況となったのです。
さあ、カメラ屋さんは大変なことになりました。お客さんはすべて「α-7000というカメラをくれ」
と店頭に殺到します。たとえ新発売でもOM-40やコンタックス159MMなどには見向きもしません。
なにしろ「マニュアルフォーカスカメラ=旧式機」と思われていますからカメラ雑誌やプロカメラマンが
「ピント合わせは手のほうが速いよ」とか
「オートフォーカスで合わない被写体もある」などとミノルタ以外のスポンサーに気を使って記事を書いたところで
人気は落ちるわけもありません。
マニュアルフォーカス機では逆立ちしたってオートフォーカスでピントを合わせることはできないのですから。
もちろんミノルタだって人気が出たからといって、すぐさま増産できるはずもなく予約・入荷待ちの嵐です。
ようやく入荷したときには、その入荷待ちのお客さんのα-7000の入った紙袋が店の端から端まで並び
歩くこともままならないありさま。
店に唯一あった接客用の展示品も
「これでいい。これを売ってくれ」
「いや、これはデモ用機でして」
「ほんなこと言うたかて、いつ入荷するかわからんて言うたやないか」
「まあ、次の生産で何台確保できるかわかりませんので・・・」
「ほんなら売ってくれ。安くせえとは言わん」
「いや~しかしみなさん触られててずべずべなんですけど」
「かまわんかまわん」
ともぎ取るように展示品を買っていった方もいらっしゃいました。また違う方で
「そこにあるミノルタの箱は?」
「あ、α用の望遠レンズなんですけどね、やっと入荷したんですよ」
「ほんならそれ買うわ」
「え、お客様α-7000ボディお持ちでしたっけ」
「そんなん持ってるわけないやないかい」
「え、レンズだけ先に買われても撮影できませんよ?」
「アホか!わかっとるわ。どっかにボディだけ売っとるかもしれへんやないか!」
いやはやむちゃくちゃです。神戸でミノルタに一番親しいと言われているその店でさえボディ在庫は
なかったのですから他店で入手できたかは甚だ疑問でしたが・・・(^^;)。
しかし月日は流れます。最新型の宿命で3年後の1988年には第二世代のα-7700iが発売されました。
下取りコーナーには25,000円均一でα-7000のボディがずらりと並びます。
そして・・・31年後の昨今ジャンク箱どころか燃えないゴミに直行の個体がほとんどではないでしょうか?
私の機体も単三電池グリップ・データバッグ・液晶&絞り込みレバーが不良でないボディと
違う3台のボディから各々健全な部品を寄せ集めて完成させた3個イチのマシンです。
3つ合わせても2,000円以下ではあるのですが(^^)ゞ。
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 プログラムAE プロビア100F
ようやく完動品のα-7000を用意できましたのでレンズも発売当時のものを・・ということで
AF28~135mm を装着してみました。ミノルタ開発陣が必死に小型化したであろうボディも
台無しといった大きさと重量ですね(^^)。今ならレンズのF値を4~5.6にしてもうふた回りほど
小型化されているところでしょうが、やはりAFセンサーに余裕を持たせたかったのか4.5の明るさを
がんばって確保したのでしょう。おかげてオートフォーカスもストレスなく良く合います。
QUANTUM of The SEAS
2016/03/17 神戸港
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/250 F8 プロビア100F
神戸港に初入港の QUANTUM of The SEAS 168,666トンです。
どんどん豪華客船が巨大になってきて最近はズームレンズでなければ対応できなくなってきました(^^;)。
ちょっと前までは100mmレンズ一本でたいがい撮影できていたのですけれども。
私がズームレンズがあまり好きではない理由はいくらがんばっても、ガラス枚数が多くなると損失が増えて
同じ焦点距離の単焦点レンズよりコントラストが落ちてしまいへちゃつぶれた描写になりがちなところです。
ちなみにこのAF28~135mmも13群16枚というレンズ構成で、ばっちしへちゃつぶれ感がでておりますね(^^)。
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/250 F8 プロビア100F
しかしこの QUANTUM of The SEAS の大きいことといったらなく、手前の消防艇の歓迎放水も
ショボショボに見えてしまいます。豪華客船は良く「動くホテル」と言われますが、まるで「動く団地」といった
おもむきであります。
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/250 F8 プロビア100F
神戸市をあげて歓迎ムードだったのですが・・・ほとんどのお客さんは中国は上海からの方だそうで
神戸を素通りしてしまい、京都&大阪に行かれたとか。
確かに神戸ご自慢のエキゾチックな建物も、上海のほうが昔あった各国の租界の名残でむしろご本家です。
中華街もあちらこそホンマモンです。実は神戸のセールスポイントってパチモン・・あわわ、他の土地への
オマージュだったのですね(^^;)。
AMIS GLORY
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/250 F8 プロビア100F
第4突堤からハーバーランドまで足を伸ばしますと、1月に進水したパナマ船籍のバラ積み船AMIS GLORY が
鋭意艤装中でした。こんなに大きなフネなのに乗組員は25名だそうです。いくら自動化が進んでいるとはいえ
ずいぶんと少ないですねえ。ぜひ安全なる航海を。
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/250 F8 プロビア100F
春に一番に咲くフサアカシアです。まだまだ寒い時期に梅と桜のあいまに咲くので、あんまり被写体にされませんが
よく見れば可憐な花で、小さなボンボンがたくさんでかわいいですよ(^^)。
ミノルタ α-7000 AF28~135mm F4~4.5 1/60 シャッター速度優先AE プロビア100F
最近あんまりはやらない流し撮りなどしてみました。デジカメなら感度を上げて写し止めるのが一般的ですからね。
今思えば流し撮りという技法は写し止めることのできない動きの速い被写体を、なんとか止めるという
いわば苦肉の策だったのではないでしょうか(^^)?
あれだけの超有名メジャー機だったα-7000を真面目に使ったのは今回が初めてでした。
あまりのベストセラー機ゆえ中古カメラの棚からは消え、ジャンク箱からでも最近は救出が難しくなりました。
このあたりはプラスチックカメラの宿命で、同じくベストセラーで全金属製のペンタックスSPとは一線を画すところです。
ただ実際使ってみた印象では「まだ未来が輝いていた80年代」が懐かしくも新鮮な気分で楽しめます。
特にプラスチックとはいえど現在では考えられないような部品点数の多さやコストのかかったパーツ類は一見の価値アリです。
肝心のオートフォーカス性能ですが、前述のとおり「手のほうが速い」場面も多々あります。
が、オートフォーカスで合わない・・と嘆かず「オートフォーカスで合わせてやろう」という意識で使えば
充分に楽しく写せます。
ハード寿命的にも市場価値的にもほぼ最終段階であろう「αチャンス♪」を感じてみねばですね(^^)。