オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100
工業製品には「最終型信仰」というものがありますよね。長年作り続けられてきたモデルが製造終了になる
直前のモノが一番良い・・みたいな。
また反対に「最終型は部品点数を減らしたり、もとは日本の工場でつくっていたのに海外生産に
なっていたりするし、コストダウンもしまくってるから初期型のほうが良いよ」という話もあります。
何より初期型は理想に燃えて設計されている、そのままの仕様で発売されるので上等な部品が使われていたりします。
初期型は部品がアルミやけど最終型はプラスチックに変更なんてのはよく聞くはなしです。
もちろん売れ行きが良ければ改良されたりして逆の場合もありますよね。
かつては内臓コンピューターが進歩してオートフォーカスのスピードが同じモデルなのに
スピードアップしているということも少なくありませんでした。
そんなこんなで私は製造終了前の生産ラインがバリバリに稼働していて、一番品質も安定していた状態で生産されていると思われる
最終型一歩前のモデルが結構好きです(^^)。ライカレンズの赤エルマーなんかが有名ですよね。
今回のミューⅢワイド100は、大ヒットしたミューシリーズの最終3兄弟のうちの
28mm~100mmズーム搭載の広角レンズバージョンです。
ちなみにあとの2機種は37.5~150mmの4倍ズームと38~120mmの望遠兄貴分です。
3機種の最終型兄弟のうち、やはり触手が動くのはワイドレンズ装備のミューⅢワイド100になりますよね。
搭載レンズは28~100mmF4.6~11.9。さすがに100mmはくらくらに暗いですが
シャッタースピードが遅くなればフラッシュをたいてしまえ!というわけですね(^^;)。
AFは11点マルチワイドで、測光は3WAYのAEというのがウリです。
3分割アモルファスシリコンセンサー・赤外測光センサー・11分割AFセンサーを用いた測光で
シーンに応じた最適な測光が可能とか。
コンパクトカメラにはもったいないくらいのセンサー量のような気もしますが・・・
どれだけばっちしピント&露出を決めてくれるのか?
期待に胸をふくらませ、ポジフィルムをつめて撮影に出発です(^^)。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
11点のオートフォーカスセンサーがありますが、しっかりお山のマークの無限大モードがあります。
こういった景色では積極的に使いましょう(^^)ゞ。一番ワイド側の撮影ですが、高倍率ズームとしては
かなり頑張っている描写ですね!もっとも使われ方を考えれば3mぐらいの距離が一番得意であろうと
思われるのですが。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
ズームを一番伸ばした100mm域での撮影です。100mmでは絶対フラッシュが光るので
あんまりスナップ向きではないですね(^^;)。巫女さんの髪留のおのしがでっかくて面白いです。
望遠域のボケはまあまあといったところでしょうか。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
100mm時の最短撮影距離は80cmであんまり寄れません。(28mmでは60cmです)接写という
感じでは無理でギリギリに寄ってもお花の写真はこれくらいがいっぱいいっぱいです。
100mmですから当然フラッシュが光っているわけですが、バックが暗くなるのでお花が浮立つのは
ケガの功名ですね。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
28mmですと四隅の引っ張られ感が半端ないです。もっともこれくらいのコンパクトズームでは
普通の仕様といえなくともないですが(^^)。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
真逆光の撮影でもちろん自動露出ですがかなり頑張って補正してくれています。
さすがは3WAYのAEです。3分割アモルファスシリコンセンサーの威力がいかんなく
発揮されております。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
ズーム真ん中へんの画角の撮影です。なんか屋台の装飾が最近のガンダムオルフェンズを思い起こさせます。
いや、どっちが先かを考えるとガンダムが屋台に似てるんですね。日本人の美意識は神代の時代から
連綿と受け継がれているというわけですね(^^)。
オリンパス ミュー μーⅢ ワイド100 プロビア100F
今回真面目にミューⅢ ワイド100で撮影してみて完成度の高さに驚きました。
発売された2002年には、すっかりメーカーもユーザーもデジタルカメラに意識が向いていたので
販売数も多くなかったようですが、もしもジャンク箱などにころっがっていれば必ず
サルベージしてやるべきマシンの一台ですよ(^^)。